皆さま、こんにちは! 

 東京は3日間連続35℃超えの猛暑日で、「海の日」を含む三連休も猛暑の予報ですね。暑さを感じながらも、ひまわりの生き生きとした姿が愛しいと感じます。皆さんも水分補給を忘れずに、熱中症対策をしっかりとってくださいね!

 7月7日は七夕、天の川を隔てて会えない「織姫」と「彦星(牽牛)」が年に一度会える日とされます。日本では西暦7月7日に行うイベントですが、中国では旧暦7月7日(西暦8月中旬ごろ)、恋人へ花束や高価なプレゼントを贈る、この日に入籍や結婚式を挙げるなど、重要視されています。

米債務上限問題や金融引き締めへの警戒が和らぐ中、米国株式市場は堅調!

<直近3カ月のS&P500種指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年6月の米国株式市場は、主要3指数がそろって大幅高となりました。5月末に債務上限問題が解決され、米政府の債務不履行(デフォルト)懸念が後退したことや、6月に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げの見送りを決めたことが相場の支えとなっていました。

 ダウ工業株30種平均は前月比+4.54%と反発、S&P500種指数は同+6.47%と大幅高、NASDAQ総合指数は同+6.59%と4カ月続伸で終了しました。

 S&P500は昨年10月13日に同年1月4日の史上最高値から2割以上も下落し、弱気相場に入りましたが、前月6月8日には昨年10月の直近安値からの上昇率が20%を超え、数字上では強気相場の条件を満たし、弱気相場は終わった可能性があるとの見方もあります。

 6月13~14日に開催されたFOMC。政策金利は市場予想通りに据え置きとなりましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内にあと2回の利上げ可能性を示唆しました。2024年以降のインフレ低下、金融政策転換による金利低下など、米国市場に対する楽観的な見方が多いようです。

 6月29日に公表された米国の1-3月期の実質GDP(国内総生産、確定値)は前期比年率+2.0%となり、2期連続で伸びが鈍化したものの、市場予想を上回り、個人消費を中心に底堅さを示しました。

 また、同日に発表された前週分新規失業保険申請件数は23.9万件と市場予想を下回る強い結果となったことや、FRBのストレステストで大手金融機関23行全てが合格したことなど、景気後退懸念が和らいだことが相場の下支えとなりました。

 一つ気になるニュースがあります。それはナスダック100指数が7月24日に「特別なリバランス」を実施することが発表されました。

 アップルやマイクロソフトなどの大手テクノロジー企業が当該指数の構成において大きすぎる存在になり、指数内の過度な集中に対処するため、ウエートを再配分することが必要となりました。引き続き、米国の経済指標や経済施策に注目していきましょう!

人民元安の進行を受けた資金流出懸念で中国株式市場はまちまち!

<直近3カ月の香港ハンセン指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年6月の香港株式市場は、米国の利上げ停止観測や中国当局への政策期待などを背景に、前半は上昇基調で一時2万ポイント台まで回復しましたが、その後は人民元安の進行に伴う資金流出が懸念され、下落に転じました。

 主要指数である香港ハンセン指数の6月末終値は1万8,916.43ポイント、前月末から+3.74%高と反発、上海総合指数は3,202.06ポイント、中国経済の減速懸念や米中関係の不透明感などから、前月末より▲0.08%と横ばいでした。

 4月18日に発表された中国の1-3月期の実質GDPの成長率は前年同期比+4.5%と、前期から加速しました。厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が1月に終了し、旅行や外食などの個人消費が大幅に伸び、景気回復が鮮明になった形でした。しかし、5月のゴールデンウイーク以降に感染拡大「第2波」が確認され、中国でふたたび大騒ぎになりました。

 中国国家統計局が7月10日に発表した6月のCPI(消費者物価指数)は、前年同月比横ばいで、前月の0.2%上昇から低下し、2021年2月以来2年4カ月ぶりの低い水準となりました。また同日に公表された6月のPPI(生産者物価指数)は、前年同月比▲5.4%と前月の▲4.6%からさらに下落率が拡大し、9カ月連続のマイナスでした。

 生産活動や消費が低迷していることや、若年層の失業率は過去最悪の水準に達するなど、景気回復の遅れで需要が増えない中、マイナス圏入りが目前となり、デフレ懸念が強まっています。

 中国当局が景気刺激策として10カ月ぶりの利下げに踏み切ったことや、いわゆるリベンジ消費の増加などから景気回復ペースも高まりましたが、世界経済の先行き不透明感や不動産市場の影響で、回復ペースが鈍化するとの見方もあります。より神経質な展開が続いていくかもしれません。

2023年6月の個人投資家に人気だった外国株式銘柄は!?

■2023年6月 米国株式買付金額ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額
(円)
関連する
テーマ
1 TSLA テスラ 38,969 電気自動車
2 NVDA エヌビディア 60,354 半導体大手
3 SOXL Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF 3,257 レバレッジETF、半導体
4 SOXS Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF 1,513 レバレッジETF、半導体
5 AAPL アップル 27,077 スマホ、PC
6 MSFT マイクロソフト 47,885 ソフトウェア製品大手
7 QQQ インベスコQQQ 信託シリーズ1 52,006 ETF、NASDAQ指数
8 VOO バンガード・S&P 500 ETF 57,217 ETF、S&P500
9 PLTR パランティア・テクノロジーズ 2,180 ソフトウェア
10 AMZN アマゾン・ドット・コム 18,429 小売り大手
※楽天証券内買付金額ベース。2023年6月1日~6月30日、国内約定日ベース。
※株価は2023年7月7日の終値、最低購入金額は1米ドル=142円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 楽天証券における2023年6月の米国株式買付金額ランキングでトップとなったのは、世界最大のEV(電気自動車)メーカー「テスラ(TSLA)」でした。電気自動車のデザインや製造・販売のイメージが強い会社ですが、ソーラーパネルや企業向けの蓄電池などの電力事業も展開しています。

 2020年に米国主要指数の一つであるS&P500の構成銘柄にも採用され、時価総額でトヨタを抜いたことが大きな話題となり、現時点で自動車メーカー首位となっています。日本ではテスラの直営店は東京の2店舗を含め全国各地でまだ9店舗しかなく、道路で走るテスラの姿はなかなか見つかりません。しかし、中国では上海市だけで9店舗の直営店があります。

 同社は2019年に中国の上海で生産工場を立ちあげ、その後も生産施設のアップグレードや生産ラインでの労働力増強に注力し、中国で年間100万台超の電動自転車を生産することを目標にしています。

 さらに今年の4月には太陽光発電など再生可能エネルギーの活用に欠かせない大型蓄電システムを生産する新工場を上海に建設すると発表しました。電動化や自動運転など自動車の次世代技術で先行しているテスラ。将来のさらなる成長に期待しましょう。

 9位にランクインしたのは、ビッグデータの分析・解析を行う「パランティア・テクノロジーズ(PLTR)」。同社は、ペイパル創業者のピーター・ティールが2004年に設立した米国のデータ分析企業です。

 創業当初から米軍や国防総省、FBI(連邦捜査局)、CIA(中央情報局)といった機関からデータ分析の業務を委託され、政府の機密案件を扱ってきたため、公開されている情報はそれほど多くないようです。決済サービスにおける不正取引を検知する知見を、疑わしい活動の検知に応用しているとも言われています。

 同社が5月8日引け後に発表した1-3月期決算では、売上高は前年同期比18%増の5億2,520万ドル、調整後1株利益は0.05ドルと、いずれも市場予想を超えました。決算発表後の翌営業日の株価は10%超の大幅高となりました。

■設定人数の純増でわかる米株積立銘柄人気ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額
(円)
関連する
テーマ
1 SOXL Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF 3,257 レバレッジETF、半導体
2 EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド 4,971 インド、無料ETF
3 AAPL アップル 27,077 スマホ、PC
4 TECL Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF 7,302 レバレッジETF、テクノロジー株
5 KO コカ・コーラ 8,486 飲料大手
6 SPY SPDR S&P 500 ETF 62,271 ETF、S&P500
7 FM iシェアーズ MSCI フロンティア・セレクトEM ETF 3,674 ETF、新興諸国
8 SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF 5,271 ETF、高配当株式
9 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン 22,615 ヘルスケア製品
10 QQQ インベスコQQQ 信託シリーズ1 52,006 ETF、NASDAQ指数
※楽天証券内米株積立設定人数ベース。2023年5月31日時点と6月30日時点で比較。
※株価は2023年7月7日の終値、最低購入金額は1米ドル=142円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 米株積立銘柄の設定人数において5月から純増した銘柄の中、人気NO.1を獲得したのは「Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF(SOXL)」でした。世界の半導体メーカーと半導体装置メーカーに分散投資できる商品で、半導体の設計・製造・流通・販売を行う企業30社で構成されています。

 一般的に、レバレッジ商品は短期間で多くの利益を狙える投資スタイルに向いているため、今回のように積立銘柄関連のランキング上位となったのは、珍しい事象と言えます。

 直接関係はしませんが、エピソードを一つ。株式投資を行う際、多くの投資家は株価の動きを見ながら、「買い」「売り」を判断しようとしますが、「世界一の投資家」とも称されるウォーレン・バフェットは、「企業そのものが長期間持ちこたえられるかどうかを考えることが大事」と言いました。

 見るべき対象は日々上下する株価ではなく、企業の成長性やブランド力であり、買うべきものは株券ではなく、継続的に収益を生んでくれる事業です。実際にバフェット自身がほれ込んだ企業であれば、何十年でも付き合う実績もあります。

 バフェットが投資先として選んだ会社は、いずれも生活になくてはならないもの、お金を払っても買いたいものを作っている企業ばかりです。

■2023年6月 中国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額
(円)
関連する
テーマ
1 8017 トレードゴー・フィンテック(捷利交易宝金融科技) 169,920 証券取引システムのプロバイダー
2 2836 iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア ETF 127,296 ETF、BSE SENSEX指数
3 2800 トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン 169,740 ETF、ハンセン指数
4 1842 グロウンアップ・グループ・インベストメント(植華集団投資控股) 9,648 旅行かばん製造
5 1810 シャオミ(小米集団) 38,880 スマホ大手・IoT家電
6 3988 バンク・オブ・チャイナ(中国銀行) 49,680 金融(銀行)
7 2187 ジーシン・グループ(智欣集団) 216,360 コンクリートメーカー
8 9988 アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団控股) 151,740 ネット通販最大手
9 700 テンセント(騰訊控股) 587,880 インターネットサービス大手
10 8402 GTスチール・コンストラクション 121,500 シンガポールの鉄骨工事会社
※楽天証券内買付者数ベース。2023年6月1日~6月30日、国内約定日ベース。
※株価は2023年7月7日の終値、最低購入金額は1香港ドル=18円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 楽天証券における6月中国株式買付者数ランキングでトップとなったのは、初登場となる「トレードゴー・フィンテック(捷利交易宝金融科技)(8017)」でした。

 香港で証券取引プラットフォームの開発を手掛ける会社で、証券売買の仲介を手掛けるブローカーとその顧客が主要顧客となっています。フロントオフィス取引システムサービス、市況情報サービスなどを提供しています。

 7位にランクインしている「ジーシン・グループ(2187)」は福建省のコンクリートメーカーで、前月に続き2回目のTOP10入りです。

 10位にランクインしている「GTスチール・コンストラクション(8402)」はシンガポールの鉄骨工事会社で、シンガポール北部のウッドランズに工場を置き、建造物の鉄骨の設計、加工、工事を一貫して手掛けています。今年4月13日~5月4日の間、万宝国際控股による1株当たり0.229HKドルの株式公開買付(TOB)が行われました。

 ここで一つ興味深い銘柄を紹介したいと思います。2021年7月に香港証券取引所に新規上場した、中国国内の植毛業界トップ企業「雍禾医療集団(ヨンホー)」です。同社は2021年11月時点で全国52都市にて53のクリニックを経営、主力サービスの植毛手術が売上高の9割近くを占めています。

 中国では1990年代以降生まれの世代が外見をより重視し、抜け毛に悩む若者が年々増えています。中国国家衛星健康委員会が2019年に公表したデータでは国民の6人に1人に相当する2億5,000万人が抜け毛の症状があると発表していました。銘柄選定のご参考となれば、幸いです。