2.イオンの決算、何が足かせになったのか

 4月10日に公表されたイオン(8267)の2019年2月期決算は、通期会社計画であった3.7%増収、14.1%営業増益、当期純利益42.7%増という見通しに対し、着地は1.5%増収、0.9%営業増益、当期純利益3.6%減でした。営業利益は2期連続で最高益更新となりましたが、辛うじて増益という水準にとどまりました。

 セグメント別で2019年2月期決算を振り返ると、足かせになったのはSM事業とサービス・専門店事業でした。また、前期2018年2月期には堅調だったヘルス&ウェルネス事業の営業利益も、2019年2月期は微増にとどまっています。

2019年2月期セグメント別業績

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:億円単位に調整したため、合計が合わないことがある

 営業減益幅が55億円と最も大きかったSM事業の内容を細かく見ると、マックスバリュ北海道(7465)マックスバリュ九州(3171)が営業増益となった一方、マックスバリュ東北(2655)同東海(8198)同中部(8171)が軒並み営業減益となりました。さらにマックスバリュ西日本(8287)が20億円、U.S.M.H(3222)が23億円の大幅営業減益となっています。マックスバリュ西日本は災害の影響を考慮できますが、「マルエツ」など関東が主軸のスーパーで構成されるU.S.M.Hについては、人件費や水道光熱費高騰の影響をコントロールできなかったとみられます。

 営業減益幅が21億円となったサービス・専門店事業については、イオンファンタジー(4343)が13億円の営業減益、イオン系カジュアル衣料専門店のコックス(9876)が9億円の営業減益となり赤字が拡大しています。

 また、営業増益幅が2億円にとどまったヘルス&ウェルネスについては、主力のウエルシアHD(3141)が2018年4月の調剤報酬改定の影響などを受け微増にとどまっています。

 イオンは上場企業をはじめ多数の企業で構成されていますが、正念場であるSM事業が苦戦したことに加え、業績を支えてきたウエルシアHDやイオンファンタジーの苦戦も、今回の減益につながりました。