5.海外に期待が持てるイオンモール
一方、イオン傘下の中でも、業績が堅調に推移している企業として、イオンモール(8905)が挙げられます。イオンのディベロッパー事業は2019年2月期に40億円の増益となっていますが、それに寄与したのがイオンモールです。
同社の業績は以下の図のようにしっかり推移しています。2019年2月期営業利益は、会社計画をやや下回ったものの4期連続最高益更新、当期純利益は会社計画を上回って着地しました。
イオンモールの連結業績推移
ここ数年の増益基調は、下の図にあるように主軸の国内モールが着実に利益を拡大させてきた他、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域が黒字転換し、中国の赤字縮小が続いているためです。2020年2月期業績も、国内事業の堅調な推移と海外の収益性改善が継続することにより営業増益となる見通しです。
イオンモールのセグメント別業績推移
展開店舗数は、日本が153店舗と大規模ですが、海外も、中国が19店舗、ASEANが8店舗と着実に広がりを見せています(2019年2月末現在)。今後も、既に収益化しているASEANではベトナムに、黒字化が見えてきた中国でも店舗を増やす見通しです。出店と収益性改善を両輪で走らせることにより、同社の海外利益は今後の拡大に期待が持てます。
海外出店数の推移