新時代の積み立て投資と向き合うポイント

 平成の次の新時代を見据え、これからの積み立て投資を検討するには、どのような点に注目したら良いでしょう。

新時代の有望な投資先は?

 総人口が減少し続ける日本の人口動態は、「超少子高齢社会」の深刻化を示唆しています。グローバル・グロース(世界経済成長)に伴う外需拡大が成長を下支えることは期待できますが、内需の伸び悩みに直面する現状で、日本経済の先行きを楽観視することはできません。

 図表4は、2030年と2050年に見込まれる主要国のGDP(国内総生産)規模ランキング(PPP=購買力平価ベースの予想)を一覧にしたものです。

 残念ながら、日本経済は低成長が予想され、GDPでランキングを落としていく国(市場)と見込まれています。

 そして、ランキングを伸ばしていく国は、中国、インド、インドネシアなどが挙げられています。

 現在の先進国の中で唯一、米国は「ランキングの上位」を維持していくとみられています。とは言うものの、米国は経済面、政治面、軍事面での覇権争いを火種に、最近は中国との「新・冷戦」時代入りが不安視され、中国の野心にブレーキをかけ始めたと言われていることに注意が必要と言えます。

インド経済の成長規模見込みは400%超

 一方、米国や日本に似て、政治的に民主主義で、経済では資本主義であるインドの経済規模は、2050年までに約5倍に拡大する(400%超の増加)と見込まれています。

 図表5では、インド株式を象徴するSENSEX指数(円)の平成時代の積み立て実績を検証しました。インド株式(円)は約30年で10倍となり、米国株式より優勢だったことが分かります。3万円ずつ投資した場合、累計投資元本(簿価)が1,077万円に対し、時価総額は約4,391万円に膨らんでいます

米国の成長も引き続き注目

 一方で、イノベーション(技術革新)の分野では、米国が主導権を握り続けるとみられ、今後はIT・ハイテク分野に加え、バイオテクノロジー分野の成長をも反映していくと考えられているナスダック100指数の成長期待にも、引き続き注目です。

 積み立て投資を実践するにあたっては、日本株式に留まらず「成長期待をグローバルに分散していく」視点を改めて重視したいと思います。

図表4:2050年のGDPランキング(成長予想)

出所:PWCの長期経済見通し「The World in 2050」より楽天証券経済研究所作成

図表5:平成の「インド株式(円)」積み立て実績(1989年初来から毎月3万円)

出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1989年1月~2018年11月)

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