ドル/円の真のシーズナルパターン

 下のチャートはドル/円の週足である。昨年2017年のドル/円は約10円の値幅のレンジ相場ほとんど大きなトレンドが発生しなかったが、2018年相場は年初から久々に大きなトレンドが発生し円高傾向の相場が続いている。


ドル/円(週足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:楽天証券MT4・石原順インジケーター  

 著名投資家ラリー・ウィリアムズの季節循環サイクルである「真のシーズナルパターン」を見ると、今年の相場は例年のシーズナルパターンとはかなり違った動きをしているが、上記のドル/円週足の円高トレンドの発生で円高バイアスの強い市場になっているということだろう。


CME 日本円通貨先物(円/ドル)日足とラリー・ウィリアムズの季節循環サイクルである「真のシーズナルパターン」

日本円通貨先物のチャートは1円あたり何ドルなのか表示されている
出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2018年3月26日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載

 さて、昨日の市場は大幅な円安となった。「なぜ、円安?」という電話が多かったが、ラリー・ウィリアムズの季節循環サイクルである「真のシーズナルパターン」を見ればわかるように、例年この時期は円安に振れやすい。日本の<期末・新年度入り>、海外勢の<イースター休暇>という季節要因からの流動性不足もあいまって、するすると107円まで円安が進んだようだ。ちなみに、ラリー・ウィリアムズは金融市場の次の大きな転機は、米国の納税期限日の4月15日頃と観ているようだ。


ドル/円(15分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:楽天証券MT4・石原順インジケーター  


ドル/円(30分足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:楽天証券MT4・石原順インジケーター  

ドル/円(1時間足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:楽天証券MT4・石原順インジケーター

  
儲からない相場は見当がつく!?相場のダマシ(ノイズ)を回避するには?

 ドル/円の日足は円高傾向ではあるものの、2月の中旬以降はトレンドレスな往来相場が続いている。<標準偏差ボラティリティモデル>をみても、直近の円高トレンドは4日程度しか続かない状態が続いている。

ドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:楽天証券MT4・石原順インジケーター


 下のチャートは筆者が見ているドル/円(日足)の<ボラティリティ差分トレードモデル>である。現在の日足相場は、順張り売買シグナルに従っても儲からないと思われる。あらかじめ、「儲からない」という見当ついているのである。なぜなら、黄色のボラティリティラインが上昇していないと、売買シグナルの信頼性が低くなることが、過去の相場の検証でわかっているからである。

ドル/円(日足) ボラティリティ差分トレードモデル

出所:石原順

 

 ドル/円日足のMACDの売買シグナルをみても直近の相場の売買シグナルは、ほとんどダマシ(損失)になっているのがわかるだろう。多くの有名なテクニカル指標は単純には使えない。単純なトレーディング戦略が昔は大きな利益を生み出したが、トレーディングが高度化し激化した今は、相場のダマシ(ノイズ)を回避するために何らかのフィルターをかける必要があるだろう。


ドル/円(日足) MACDの売買シグナル

出所:石原順