下降トレンド入りで速やかに売ることでそれ以上の株価下落を回避できる

 まず(1)についてです。株価には一定期間続く方向性というものがあり、これを「トレンド」と呼んでいます。 いったんトレンドが生じると、株価はそのトレンドの方向に動きやすくなるという習性があります。
 筆者は日足チャートと25日移動平均線を用いて、株価が25日移動平均線の上にある間は上昇トレンド、逆に25日移動平均線の下にある間は下降トレンドと定義しています。

 上昇トレンドの間は株価が上昇する可能性が高く、下降トレンドの間は株価が下落する可能性が高くなります。よって、25日移動平均線の上に株価がある限りは保有を続けますが、ひとたび25日移動平均線を株価が割り込んだら速やかに売却し、それ以上の株価下落を回避します。

 保有株の含み益がなくなったり、含み損が拡大したりするのは、下降トレンドになっても株を持ち続けているのが原因であるケースが非常に多いです。
 下降トレンドの入口である25日移動平均線割れで保有株を売却するクセをつけておけば、不用意に利益を減らしたり、損失が拡大することを防ぐことができます。

 

上昇トレンドが続く限り保有を続ければ利益を伸ばせる

 次に(2)についてです。売った後に株価がさらに大きく上昇して利益を取り逃がすというのは、まだ株価が上昇トレンドにあるにもかかわらず、「そろそろ下がりそう」となんとなく保有株を売ってしまうことに原因があります。

 株価が上昇トレンドにある間は、株価は上昇しやすい環境にあるのですから、保有株は売却するのではなく、持ち続けてできる限り利益を伸ばすのが望ましい形です。
そして、上昇トレンドが終了したサインである、25日移動平均線を株価が割り込んだところで売却すればよいのです。

 

買い直しは「再度の25日移動平均線超え」で

 もう1つ、買い直しのポイントについても考える必要があります。

 保有株を売却した後、再度株価が大きく上昇することはよくあります。
多くの個人投資家が後悔するのは、いったん売却した保有株をどこで買い直すか悩んでいるうちに株価がどんどん上昇してしまい、手が出せなくなってしまうからです。

 逆に、保有株を売った後株価が大きく上昇してしまうことを恐れて、売るべきタイミングで保有株を売ることができず、結局は損失を被ってしまうこともあります。

 これらについては、売却した保有株を再び買い直すポイントが明確であれば、問題なく対応することができます。

 先ほど、株価が25日移動平均線の上にあれば上昇トレンドであり、そこから株価が上昇しやすくなると申し上げました。したがって、25日移動平均線を割り込んだことにより売却した保有株が、再び25日移動平均線を超えたら買い直せばよいのです。

 25日移動平均線割れで売却、25日移動平均線超えで買い直し・・・これを繰り返していくことにより、株価の上昇にしっかりついていくことができると同時に、株価下落にもきちんと対応することができます。

 もちろん、この方法が株式投資の唯一の正解というわけではありません。でも、なかなか売り時がつかめず利益が伸び悩んでいる・・・という個人投資家の方は、一度試してみたらいかがでしょうか?