テクニカル面で見たBTC相場見通し

BTC/JPY(日足)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 ドル建てで見ると、BTCは2万9,500ドルから3万1,500ドルのレンジ取引を1カ月近く続け、何度か新値を付けてレンジブレークを目指したが、上値を押さえられた。そして力尽きたようにレンジの下限を割り込んだが、一目均衡表の雲の上限付近で下げ渋った。

 この結果、最後の1週間ほど2万9,000ドルから2万9,500ドルの狭いレンジでの取引が続き、月末から8月頭にかけていったん、雲の中に突入したが、すぐさま反発し雲の上に出た。

 8月は雲の上限がサポートとなって、3万1,000ドルを目指してじりじりと上昇するのか、雲の中に入り、雲の下限2万8,000ドル前半にじりじり値を下げていくのか、早晩方向性が見えそうだが、今のところまだ決着はついていない。

BTC/JPY 一目均衡表

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 円建てで見ると、一目均衡表の雲の中に入り方向感を失っていたが、いったん上抜け、再び雲の中に入ってしまった。この上抜けがダマしに終わるか、どうなるかは、まだこれから。ドル建てと同様、岐路に立っている。

BTC/JPY パターン分析

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 一方、パターン分析で見ると、6月の上昇のちょうど半値押しでサポートされ、下降チャネルの上限をトライしている。この形は上昇フラッグと言って、上昇トレンド継続、レンジ上抜けを示唆している。

 足元では6月後半から7月前半のサポートだった425万円近辺がレジスタンスとなっており、上抜けるのに少し手間取るかもしれないが、上抜けする可能性は十分ある。

BTC月別騰落一覧

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 恒例の月別の騰落率で見ると、8月は9月に次いでアノマリー的に弱い月だ。ただ、そうとは言っても5勝7敗でこの数字を根拠に下がりそうとは言い難い。

 また6月が陽線で7月は陰線となったが、このように陽線から陰線に転じた場合に翌月陰線が続くか陽線に転じるかはほぼ半々で傾向が見られない。アノマリー的にはやや弱いけれど強いインプリケーションはない。

 まとめると、8月のBTC相場は少し方向感が出にくい展開になりそうだ。2万8,000ドル、400万円に向かってじりじりと下げていくのか、3万1,500ドル、450万円に向かってじりじりと値を上げていくのか、ちょうど月初の雇用統計とCPI辺りが岐路となりそうだ。

 アノマリー的にはやや弱そうだが、米国債の格下げの影響や米景気後退の兆し、また下降チャネル上抜けによる上昇フラッグ完成の可能性から、どちらかといえば上方向かと考える。