配当性向96%でも高配当利回り株として評価できる

 武田薬品の、予想配当利回りは9月6日時点で4.7%です。同社の1株当たり年間配当金180円を、9月6日株価3,823円で割ることで、配当利回りを計算しています。

 同社は、長年にわたり、「配当金180円を維持」を基本方針としています。シャイアー買収後に利益が低迷したことで、1株当たり連結利益が低下してきているので、結果的に、配当性向が極めて高くなっています。それでも配当180円堅持を、社是としてきました。

 武田薬品の2023年3月期の1株当たり連結利益は、188.13円です。そこから配当金180円を支払うと、連結配当性向は96%(180÷188.13)となります。利益のほとんどを配当することになります。

 一般的には、配当性向が高すぎる(80%以上)株は、何かあって減益となると、減配になりやすい株として警戒します。私も、配当性向が80%を超えている高配当利回り株への投資はちゅうちょします。

 ただし、武田薬品は別です。既にご説明した通り、しっかりキャッシュを稼げているからです。会計上の利益より、事実としてキャッシュを稼いでいることの方が重要です。私は、配当性向96%でも、武田薬品は高配当利回り株として長期投資していくのにふさわしい銘柄と、評価しています。

 武田薬品のレポートは、ここまでです。ここから先は、キャッシュフロー表の見方がわからない方のために、解説を載せています。