今週の注意点2:FOMCと米CPI公表

 そして、2つ目の注意点は、来週の14日から15日にかけてFOMCが予定されていることです。

 先週の30日(火)にパウエル米FRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で「テーパリングを2~3カ月早く終えるのを検討するのが適切」と発言したことをきっかけに米株市場の下落が加速する場面があったため、株式市場はコロナ以外に、物価や金利の動向にも敏感に反応しやすくなっている点は意識しておく必要があります。

 FOMCで金融引き締めの是非について議論されることになるため、今週は様子見ムードを予想する見方も多くなっていますが、メジャーSQと同じ今週10日(金)に公表される米11月CPI(消費者物価指数)が注目されます。

 CPIについてはここ数カ月間、前年比からの伸びが強い状況が続いており、先月11月8日に史上最高値を更新していたNYダウ(ダウ工業株30種平均)が調整局面入りしたきっかけが、直後に公表された前回のCPIでした(下の図5)。

■(図5)NYダウ(日足)の動き(2021年12月3日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 実際にチャートを見ても、前回のCPI発表後にNYダウが下落基調を強めていたことが分かります。

 先週のNYダウは200日移動平均線を下抜け、9月から10月にかけて株価が底打ちした3万4,000ドルの株価水準でひとまず反発している状況ですが、今回のCPIの結果次第では、FOMCを前に株価が大きく動き出す可能性があります。

 したがって、今週は、コロナ変異株やインフレ警戒、メジャーSQの「三つどもえ」で株価の方向感を探る展開が見込まれ、チャート的にも市場環境的にも年末株高に向けた正念場の週になりそうです。