【2】    イエローハット

 カー用品大手イエローハットは、構造改革を成功させ、高収益の安定成長企業に生まれ変わりつつあると考えています。ただし、10年くらい前には、経営危機に瀕していました。その時のイメージをまだひきずっているために、株価は低評価に留まっていると考えています。

  同業最大手は、オートバックスです。最大手のオートバックスが成長企業だった1990年代に、イエローハットは競争力でも収益性でも劣後していました。それでも1990年代は、自動車の保守・タイヤ交換・カーナビ設置・車検などを、ガソリンスタンドや自動車ディーラー、小規模の自動車修理工場などよりも安くやることで、成長してきました。

 ところが、2000年代に入り、業界は飽和、過当競争から収益性が悪化しました。小売が少なく、卸売りが多かったイエローハットは収益悪化に苦しみ、打開策としてホームセンター事業を始めましたが、これが裏目と出ました。激化する競争に勝てず、ホームセンターからは撤退を余儀なくされました。

 ただし、そこから、地道な構造改革に取り組みました。卸売りを低下させ、最終顧客にカー用品を直接売る小売りを強化しました。消費者が望むきめ細かなサービスを強化し、地道に小売店舗を増やしてきました。今でも、小売ベースを拡大する改革が続き、それが最高益更新につながっています。

 イエローハットは構造改革を成功させ、収益率が低いままのオートバックスと、収益性で逆転しました。オートバックスの今期営業利益率(会社予想ベース)が3.6%と低いのに対し、イエローハットは7.3%まで上昇しています。