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「下がっていれば買えず、上がったあとでは買えない病」を克服する
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

「下がっていれば買えず、上がったあとでは買えない病」を克服する

2013/1/11
さて、前々回のコラムで上昇相場の話を少ししましたが、政権交代後も順調に株価は推移し、日経平均株価で10,700円をつけるまでになりました。その後少し調整されたものの、一時的には震災前の株価水準を回復したことになりました。
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明けましておめでとうございます。今年も「なんとなく」から投資のレベルをステップアップしていくため、いろいろ考えていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

なんとなく投資をしていると、どんな相場でも儲からない

さて、前々回(相場が上がりはじめたときなんとなく投資しないために)のコラムで上昇相場の話を少ししましたが、政権交代後も順調に株価は推移し、日経平均株価で10,700円をつけるまでになりました。その後少し調整されたものの、一時的には震災前の株価水準を回復したことになりました。

この2カ月ほどの間にずいぶん稼いだ、あるいは含み損が解消された、という人もいるでしょうが、一気に上がってしまった相場をみて、うまく手を出せなかった、あるいは徐々に手を出しにくくなった、という人もいるでしょう。日経平均で10,000円を超えたあたりから、「そろそろ調整が入りそうだ」と思って手を出せずにいるうちに、するすると株価は上がり、円安は進行してしまったため、政権交代後にはほとんど運用できていない、というようなケースです。

なんとなく投資をしていると、勢いを後から追いかけるような売買になりがちです。手をこまねいているうちに、ピーク直前の高値を掴み、その後の調整下落に狼狽し、焦って損切りするような人もいます。これでは「なんとなく」投資の状態から抜け出せず、うまく資産形成することはできません。

一気に昇りすぎた相場はこれからしばらく、何度か調整を繰り返す可能性もあります。上昇相場の雰囲気があるうちに、同じ轍を踏まないための対策を考えてみましょう。

下がっているときは怖くて買えず、上がったあとでも怖くて買えない

今回の「なんとなく投資」症例の典型的なパターンは「下がっているとき、もっと下がるのが怖くて買えない」ケースと「上がっているとき、これ以上儲からないのではと躊躇して買えない」というパターンの2つがあるようです。上昇相場だけではなく、実は下落相場にも同様のミスを犯す可能性があります。

「下がっているとき、もっと下がるのが怖くて買えない」ケースについては、買った後にさらに下がると含み損を抱えることになることを恐れて手が出せないパターンです。長い目でみれば安値で仕込む好機であっても短期的な損失可能性を恐れて手を出せません。こういう人は相場の底が過ぎて上昇に転じても、結局投資できなかったりします。

「上がっているとき、これ以上儲からないのではと躊躇して買えない」というのは今の相場で起きているような状況です。この先がまだ上昇を続けていくとすれば、今購入することに問題はないわけですが、今がピークかもしれないと判断をためらっているうちに、さらに市場は上昇し、また買えなくなってしまいます。

相場の流れは逆であっても、この2つの症例は同じ原因が隠れています。それはやはり、「なんとなく」マーケットと向き合っているからです。

なんとなく相場の後追っかけをしないための3箇条

なんとなく相場の後を追っかけ続ける限り、うまい資産形成にはなりません。しかし会社員は、ファンドマネージャーに比肩するような専門性を高めることは不可能でしょうし、物理的にも投資に時間をかける余地が低いため、少ない時間で対応できる投資術を考える必要があります。

つまり、プロ(あるいはデイトレーダーのようなセミプロ)とは違う投資戦略で臨む必要があります。そこで、3つほど処方箋を考えてみました。

1. スパンを長く取ること

会社員ができる最大のアドバンテージは、投資期間の長期化です。ファンドマネージャーはウイークリーレポート、マンスリーレポート、決算時の報告書など、定期的に運用報告を求められ、運用方針やベンチマークに劣後した結果は厳しく批判されます。

個人の投資は個人のマネーゴールに満足いく結果になっていればよく、他人とパフォーマンスの高低で勝負する必要もありません。買った後、少々下げても想定内であればホールドしておき回復を待つ戦略が取れますし、買った後、まあまあ上がった銘柄や投信などであれば、小さく利益確定する必要は無いのだ、と割り切れば長い目でみて上昇を待つことができます。

自分の投資期間を少しロングで考えられるようになると、なんとなく焦って売り買いをせずにすむようになってきます。おすすめとしては、定年退職後の老後資産形成を意識し、超長期投資くらいのつもりで投資に臨めることです。

2. 計画を立てること

2つめの処方箋は、運用の計画です。中長期的な資産成長のロードマップを描いたり、アセットアロケーションの検討を行うことは、「なんとなく投資」から脱出するための有効な方法です(例えば、楽天証券内だと ホーム > 投信積立 > 積立かんたんシミュレーションで積み立て計画の検討プログラムがあります)。

アセットアロケーションを検討し、自分の基本ポートフォリオをイメージしておくことで、リバランスを実行できるようになるのも大きなメリットです。リバランスは「儲かり始めたら売りにいき、下がっているとき買い増す」必要があるため、なかなか合理的に実行しにくいのですが、リスク管理を考えれば有効ですし、前述の症例を克服する方法でもあります。そのためにも、ベースとなる資産配分を検討しておくことが役立ちます。

また、定期的な積立を実行するよう運用計画に定めておくことは、市場の騰落によらず資産の積み増しを続ける大きな実行力になります。積立投資信託等を活用した定額投資であれば、市場の騰落があっても、購入する口数で調整しますので、効率的な投資を行う可能性が高まります。相場を気にするあまり、「投資をスキップする」という恣意的な行動を避けられることもメリットです。

3. 経験を積み、投資を学ぶこと

3つめの処方箋は「経験」と「学習」です。なんとなく投資から脱出するために欠かせないのはやはり、自分がステップアップすることです。

まず、経験はとても重要な財産です。行動しないままよりも、行動して失敗をしたほうが投資家として成長します。失敗にも価値があります(ただし、同じ失敗をするなら投資金額が小さいうちに失敗しておきたい)。

市場の騰落を目の前にして、今回は投資を躊躇してしまったという失敗も、同じミスを次回の相場において繰り返さないことができればいいのです。
何度か市場の騰落を目撃していくいくうちに、冷静に市場と向き合うことができるようになってきますが、経験の価値のひとつです。

2000年頃から投資をしている人は、何度も日経平均1万円割れを経験していますし、何度も市場の急上昇を目撃していますから、3回目くらいには余裕を持った売買ができるようになります。今回、市場の急騰を初体験した人は、その経験をぜひ今後に役立ててほしいと思います。

ただし、経験といっても「肌感覚」のような意味だけで経験を貯めていてはもったいない話です。これではいつまでも「なんとなく」市場と向き合う状態から抜け出すことができません。知識も身につけていくことで経験はさらに活きたものとなってきます。あわせて投資について学ぶことが大切です。

……さて、3つの処方箋を考えてみましたが、皆さんの症状に応じて服用してみてください。「下がっていれば買えず、上がったあとでは買えない病」克服に役に立つことと思います。

老後をにらんだ年金運用では「下がったときいかに買えるか」が問われる

あなたがもし、老後のための資産形成を考えているのであれば、短期的な利食いはあまり意味がありません。現金化した資産について、再エントリーのタイミングを検討する必要がありますし、譲渡益には課税されてしまうからです。むしろゴールにおいて初めて売却するくらいの意識を持ちつつ、資産の一部についてリバランスを考えていくほうがよかったりします。

それよりも、中長期的に運用を継続していく場合においてより重要なのは、市場が騰落を繰り返していっても、追加資金を投入しつつ、購入単価を引き下げていく工夫です。下手な投資判断を繰り返し(特に投資を保留すると資産形成上は停滞する)、資産形成をストップさせないことが重要です。

老後資産形成においても、「下がっていれば買えず、上がったあとでは買えない病」は克服すべき病気です。理性的に脱出することが難しい場合は、自動的な積み立ての方法を頼るのも有効でしょう。

下がったときも、上がったときもうまく投資を続ける処方箋

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