底打ち後の上昇相場では「種株」と「上乗せ株」に分類して保有

そこで、筆者であればどう転んでもよいように、「種株」と「上乗せ株」に分類して管理します。
「種株」とは、底値圏でうまく買うことができたと思われる保有株です。これは日足、週足のトレンドがどうであっても、損切りラインに抵触しない限りは基本的には保有を続けます。損切りラインに抵触した場合は、まだ底打ちしていなかったことを表しますから損切りして次のチャンスを待ちます。
種株を利食いするのは、月足のトレンドが上昇トレンドになり、その後下降トレンドに転換したタイミングとします。また、種株を多少大目に買っておき、株価が2倍になったらその半分を利食いしてひとまず投資資金を回収しておく、というのも1つの手です。
その上で、株価が上昇トレンド(少なくとも週足レベルで)に入ったことが鮮明になれば、「種株」の他に「上乗せ株」として追加投資をします。

種株はじっくり保有、上乗せ株はトレンド転換に応じて機動的な売買

「種株」は、数年間は保有する可能性がありますから現物株として保有します。一方の「上乗せ株」は、「種株」と区別するために信用取引での買いとします。なお、種株と上乗せ株は同じ銘柄でも異なる銘柄でもOKです。
「上乗せ株」は、週足チャートが上昇トレンドとなれば買い、下降トレンドに至れば売り、とします。日足チャートを用いても結構ですが、一般に日足の方が週足より売買のサイクルが短くなります。
本格的な上昇となると、月足チャートが上昇トレンドに至ります。月足チャートが上昇トレンドを続ける間も、日足チャートや週足チャートは上昇・下降のトレンドを繰り返すことがよくあります。「上乗せ株」は月足チャートが上昇トレンドである限りじっくり保有する「種株」とは異なり、週足ないしは日足の上昇トレンド入りで買い、下降トレンド転換で売り、というやや投資期間の短い手法となります。
この方法を実践すれば、スケールの大きい上昇相場となった場合は「種株」「上乗せ株」の双方で利益を得ることができます。週足レベルのトレンド転換に留まり、そこそこの規模の上昇で終わってしまった場合でも、「上乗せ株」で利益を獲得できますし、「種株」についても底割れしない限り保有を続けていればよいのです。

なお、「上乗せ株」として買ったつもりの株がそこから大きく上昇した場合は、現引きして種株に組み込んでも構いません。
時には株価が大きく上昇し、移動平均線から大きく上方に乖離することもあります。そんなときには下降トレンドへの転換(株価の移動平均線割れ)を待ってから売ると、利益を大きく減らしてしまうことにもなりかねませんので、持ち株の一部は利益確定売りをしておくのも一考です。

なお、売り時の見極め方についての全般的な点は、下記コラムもご参考にしてください。