その2:損切りを遵守する

追証の原因は、つきつめれば含み損が拡大することにあります。したがって、含み損をいたずらに拡大させないために、損切りの確実な実行が求められます。
現物取引であれば、買った株が大きく値下がりしても、塩漬け覚悟で持ち続けることもできます(筆者は推奨しませんが)。しかし、信用取引で買い建てた株が大きく値下がりした場合は、含み損が拡大し、追証が発生してしまうことも大いにあります。その場合、追加で保証金を差し入れなければ強制決済されてしまい、持ち続けたくても持ち続けられないのです。
追証を避けるためには、早めの損切りが鉄則です。そうすれば、追証に陥ったときよりもはるかに浅い傷で済みます。

その3:取引枠いっぱいに信用取引をしない

信用取引は最大で約3倍のレバレッジをかけることができます。レバレッジを高くすれば、成功したときの利益も大きい反面、逆に損失も大きくなる危険があります。
取引枠いっぱい、つまり保証金の3倍の金額まで信用取引をした場合、株価が買値より約13%下がっただけで追証が発生してしまいます。
しかし、信用取引の総額を保証金と同額にとどめておけば、買値より80%超の株価下落でなければ追証が生じることはありません。つまり、レバレッジを低く抑えることで、追証を防ぐことができるのです。
もちろん、買い値より大きく値下がりする前に、第2の鉄則である損切りを実行すべきなのはいうまでもありません。

信用取引で大きく失敗するのは、取引枠いっぱいまで信用取引を行い身の丈を超えた大勝負をして、かつ損切りをはじめとした適切な対処を取らなかった場合です。
したがって、信用取引をはじめるときは、無理のない範囲で行うことをお勧めします。その上で、信用取引に慣れてきてリスク管理を万全に取ることができるようになってから、だんだんと取引規模を拡大していけばよいでしょう。