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「値下がりの理由」より「値下がりした事実」こそが重要
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

「値下がりの理由」より「値下がりした事実」こそが重要

2009/11/19
資産運用に精通した公認会計士として活躍している、足立武志氏による「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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なぜ電力株は下落を続けているのか、分かりますか?

アメリカのニューヨークダウが10,000ドルを突破するなど、世界中の株式市場が堅調な動きを見せている中、日本株だけが蚊帳の外に取り残されています。それでもファーストリテイリングなど一部値がさ株の上昇に支えられた日経平均株価はまだましで、多くの個別銘柄は株価の下落が続いています。連日のように多くの年初来安値更新銘柄が出ており、日経平均株価が7,000円だった2008年10月や2009年3月のときの株価水準をあっさりと下抜けてしまう銘柄も続出しています。

例えば、電力株はここ最近非常に弱い動きが続き、11月に入ってからも年初来安値を更新しています。

EX. 9501東京電力 週足


(出所:株式会社マーケットチェッカー提供 マーケットチェッカー2

この電力株の株価の弱さの理由について、「二酸化炭素の25%削減により、電力会社のコスト負担が増すことが懸念されている」とか、「長期金利の上昇により高配当株としての電力株の魅力が減った」などという解説が新聞等に掲載されています。その一方で、「電力会社は二酸化炭素削減義務に伴うコスト負担は価格に転嫁するから業績への影響は軽微だ」とか、「長期金利の大幅な上昇は考えにくい」といったコメントもあり、いったいどうして株価が下がったのかよく分からなくなってしまいます。

電力株の株価が下がった理由など投資行動には関係ない

しかし、筆者に言わせれば、「株価が下がった理由などどうでもよい」のです。それどころか、理由を気にする結果、逆に失敗につながってしまうのです。
多くの個人投資家は、持ち株の株価が下がって含み損をかかえた状況になると、「なぜ持ち株の株価が下がったのか」と理由探しに懸命になります。
そして、持ち株を損切りせずに持ち続けるのに都合のよい理由を見つけて、「今の下げは一過性で持ち株の実力は過小評価されている。やはり我慢して持ち続けるべきだ」と、損切りせずに持ち続け、やがては塩漬け株の発生につながってしまうのです。

大手銀行株の下落も同じことがいえます。新聞やニュースなどでは、亀井大臣の「モラトリアム発言」が下げの理由とか、BISの自己資本規制強化を嫌気して下げている、いった解説がよく聞かれました。でも、それが真実かどうかは分かりませんし、そもそもどうでもよいことです。
1つだけいえる真実は、株価が下げ続けていること、言い換えれば需要(買い)を供給(売り)が上回っていること、それだけです。
もしかしたら、売りに回っている投資家は、新聞やニュースの解説とは全く違った理由で売っているかもしれないのです。

株価が値下がりしているという事実こそが投資行動基準として重要

重要なのは、株価が値下がりしているという事実、これだけです。私たち個人投資家が大失敗を避けるためには、株価の動きこそ最も注目すべき点なのです。
そして、持ち株の株価が損切りラインを下回れば何も考えずに損切りを実行し、含み益のある持ち株であっても下降トレンド入りを確認したら一部でもよいから一旦利益確定売りをしておく、という行動をとるべきです。

株価が下がる理由には「主観」や「推測」が含まれています。電力株や銀行株が売られている理由が、本当に新聞やニュースで言われている通りの理由だと断言できますか?
信頼性が100%でないのなら、その理由を当てにして投資行動を決めることがどんなに危険か、ぜひとも理解してください。
特に、持ち株の株価が下がったときの「これは市場全体の下落に伴う一時的な下落にすぎず、株価はPERやPBRからみて売られ過ぎだから近々回復に転じるでしょう」という類のコメントほど、当てにならないものはありません。それどころか、損切りしようか迷っている投資家に対しては、損切りを躊躇させる要因になってしまいます。その後、さらに株価が大きく下落して含み損が膨らんでしまう、といった例は枚挙に暇がありません。

7月以降株価下落の事実をみて適切な行動をとった投資家の傷は浅い

日本株であれば、今年の7月以降の投資行動いかんで、おそらく個人投資家の間でも運用成績に大きな差がついてしまっていると思われます。
日経平均株価こそ10,000円を挟んだ強い動きが続いていますが、個別銘柄の多くは6月~7月ごろを株価のピークとして、完全なる下降トレンドの真っ只中です。
そんな中、持ち株下落の理由を気にせず、株価が下降トレンド入りしたことを重視して持ち株をいったん売り、利益確定した個人投資家。また、損切りラインに抵触した持ち株の損切りを実行した個人投資家。この様な個人投資家はたとえ損をしても浅い傷で済んでいることでしょう。
しかしながら、「今の下げは3月からの急上昇を見せた後の当然の一服」「日本株は諸外国に比べて出遅れ感が顕著で割安」などという根拠のない理由に妙に安心感を覚えて持ち株をそのまま持ち続けた個人投資家の中には、年前半の含み益から一転、含み損を抱えてしまっている人も多いのではないでしょうか。
先日発表された信用評価損益率(11月6日申し込み時点)はマイナス15.71%でした。この数字からも、多くの個人投資家が含み損を抱えて苦しんでいる様子がうかがえます。

株価が上昇している理由、下落している理由、……本当の理由は分からないのです。唯一100%信頼できる事実として分かっているのは、今の株価がいくらで、過去から今までの株価はどのように推移しているか、ということだけです。
したがって、株価の動きを株価チャートで確認して、下降トレンドのさなかにいるのであれば手を出さない、持ち株については損切りルールを決め、損切り基準に抵触したら問答無用で損切りする、これが損失を最小限に抑えるコツです。
そうすれば、最近の株価下落も、日々膨らむ含み損におびえて過ごすのではなく、「もっと安く買えるチャンス」と余裕を持って見ていられるようになるはずです。

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