2024年の重要政治イベント日程
政治イベントは、その結果によって瞬時に相場に影響を与えたり、じわじわと経済に影響を及ぼしたりする場合があります。しかも、経済環境を無視して瞬く間に影響を与える場合もあるため、最重要で注目すべき要因です。
相場シナリオを想定する際に、政治イベントを軸として大きな枠組みを想定します。その大きな枠組みの中で経済イベントを考慮して中期・短期のシナリオを想定していきます。
ただし、2022年のロシアのウクライナ侵攻や昨年10月のハマスのイスラエル襲撃・誘拐など全く予想ができない事態も起こる可能性があるため、何が起こっても柔軟に対応できるような心構えで臨む必要があります。
今年の政治イベントを下表にまとめました。今年は世界で重要な選挙が多数ある選挙イヤーとなります。選挙結果によって、その国の通貨や経済、周辺国との関係が大きく変わることがあるため、その動向には注視していく必要があります。
2024年の重要政治日程
1月 | 1日 | 新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)開始 |
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13日 | 台湾総統選 | |
15日 | 米共和党がアイオワ州での党員集会で次期大統領候補者選びを開始 | |
15日 | 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス ~19日) | |
2月 | 3日 | 米民主党全国委員会が次期大統領選の党候補を選ぶ初戦と 位置付ける予備戦をサウスカロライナ州で実施 |
14日 | インドネシア大統領選 | |
24日 | ロシアのウクライナ侵攻開始から2年 | |
2,3月 | 米予算教書 | |
3月 | 4日 | トランプ前大統領の米連邦議会占拠事件の初公判 |
5日 | 米大統領選予備選が集中するスーパーチューズデー | |
5日 | 中国で全国人民代表大会開催 | |
7日 | 米大統領一般教書演説 | |
17日 | ロシア大統領選 | |
25日 | トランプ前大統領の不倫関係にあった女性に口止め料を払った事件の初公判 | |
4月 | 10日 | 韓国総選挙 |
19日 | IMF(国際通貨基金)・世銀春季総会(ワシントン ~21日) | |
5月 | 20日 | 台湾の次期総統就任 |
20日 | トランプ前大統領の機密文書を不適切に持ち出した事件の初公判 | |
4,5月 | インド総選挙 | |
6月 | 2日 | メキシコ大統領選挙 |
6日 | 欧州議会議員選挙( ~9日 ) | |
13日 | G7サミット(主要7カ国首脳会議 イタリア ~15日) | |
20日 | 東京都知事選告示(7月7日 投開票 7月30日任期満了) | |
7月 | 3日 | 日本 新紙幣発行 |
7日 | 東京都知事選投開票 | |
9日 | NATO(北大西洋条約機構)首脳会議(ワシントン ~11日) | |
15日 | 米共和党大会(大統領候補者を指名、ウィスコンシン州ミルウォーキー ~18日) | |
26日 | パリ・オリンピック(~8月11日) | |
8月 | 5日 | トランプ前大統領の20年大統領選のジョージア州の結果を覆そうとした事件の初公判 |
19日 | 米民主党大会(大統領候補者を指名、イリノイ州シカゴ ~22日) | |
28日 | パリ・パラリンピック(~9月8日) | |
9月 | 月末 | 岸田文雄自民党総裁の任期満了 |
10月 | 7日 | イスラエルとハマスの衝突から1年 |
25日 | IMF・世銀年次総会(ワシントン ~27日) | |
11月 | 5日 | 米大統領選挙 |
18日 | G20サミット(20カ国・地域首脳会議 リオデジャネイロ ~19日) | |
月内 | APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議(ペルー) |
2024年の重要経済イベント日程
為替相場の経済要因として最も大きな要因は金融政策であり、特にFRBの金融政策は重要です。また、日銀、FRB、ECB(欧州中央銀行)総裁は金融政策委員会終了後、毎回記者会見を行い、市場との対話に努めています。
声明文を補うような一歩踏み込んだ説明や、先行きの方向性を示唆する内容を発言しており、この発言で相場が動くことも多いため記者会見にも注視する必要があります。
加えて、FRB議長の議会証言が年2回(2月と7月)ありますが、これも注目材料です。そして8月下旬には米国カンザスシティー連銀主催の金融シンポジウムがジャクソンホールで開催されます。過去には各国の中央銀行総裁が今後の金融政策の変更を示唆する発言をしたこともあり、毎年注目されています。
以上のように、今年もやはりFRBの金融政策の動向が最大注目材料となります。そして、FRBの金融政策に影響を与える経済成長率(GDP)、物価上昇率、雇用統計に注目です。
加えて今年は日銀の金融政策の動向も注目材料となります。昨年までは日米の金融政策の方向の違いによって円安一方向の相場でしたが、今年は方向の違いが逆転する可能性も強まってきていることから、その思惑によって相場が上下に動くことが予想されます。
下表に日米欧の金融政策委員会の開催日、GDPや物価の公表日をまとめました。今週のコラムは保存版として活用してください。米雇用統計は、毎月第一金曜日に公表されます。
日米欧中央銀行の金融政策会議開催日
2024年 | 日銀金融政策決定会合 | 米連邦公開市場委員会(FOMC) | 欧州中央銀行理事会(ECB) | 金融イベント | |
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1月 | 22~23日※ | 30~31日 | 25日 | ||
2月 | ― | ― | ― | FRB議長半期議会証言 | |
3月 | 18~19日 | 19~20日※ | 7日※ | ||
4月 | 25~26日※ | 30~5月1日 | 11日 | ||
5月 | ― | ― | ― | ||
6月 | 13~14日 | 11~12日※ | 6日※ | ||
7月 | 30~31日※ | 30~31日 | 18日 | FRB議長半期議会証言 | |
8月 | ― | ― | ― | ジャクソンホールFRB議長講演 | |
9月 | 19~20日 | 17~18日※ | 12日※ | ||
10月 | 30~31日※ | ― | 17日 | ||
11月 | ― | 6~7日 | ― | ||
12月 | 18~19日 | 17~18日※ | 12日※ | ||
(注)1. ※は日銀「展望リポート」公表(1、4、7、10月)、FOMC、ECBは経済見通し公表(3、6、9、12月) 2. FOMCは火~水曜日開催、11 月は5日(火)が米大統領選挙のため6(水)~7(木)開催 ECB理事会は木曜日開催 3. 会議終了後の総裁の記者会見は日米欧とも毎回実施 4 黒太字は日米欧の理事会が集中している日程。相場が変動しやすいため注意が必要 |
日米欧GDP速報値の発表日
日本 | 米国 | ユーロ圏 | |
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2023年 10~12月期 |
2月15日 | 1月25日 | 1月30日 |
2024年 1~3月期 |
5月中旬 | 4月25日 | 4月30日 |
2024年 4~6月期 |
8月中旬 | 7月25日 | 7月30日 |
2024年 7~9月期 |
11月中旬 | 10月30日 | 10月30日 |
日米欧消費者物価指数(CPI)の発表日
2024年 | 日本 | 米国 | ユーロ圏 |
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1月 | 19日(12月分) | 11日(12月分) | 5日(12月分) |
2月 | 27日( 1月分) | 13日(1月分) | 1日(1月分) |
3月 | 22日( 2月分) | 12日(2月分) | 1日(2月分) |
4月 | 3月分以降の 公表日は後日 発表予定 |
10日(3月分) | 3日(3月分) 30日(4月分) |
5月 | 15日(4月分) | 31日(5月分) | |
6月 | 12日(5月分) | ― | |
7月 | 11日(6月分) | 2日(6月分) 31日(7月分) |
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8月 | 14日(7月分) | 30日(8月分) | |
9月 | 11日(8月分) | ― | |
10月 | 10日( 9月分) | 1日(9月分) 31日(10月分) |
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11月 | 13日(10月分) | 29日(11月分) | |
12月 | 11日(11月分) | ― |