バブル崩壊から始まった平成の日本株

 平成元年(1989年)は、日経平均が史上最高値(3万8,915円)を付けた年です。その翌年、まさに、「バブル崩壊」「失われた10年」といわれる1990年代がスタートしたところでした。

<平成の日経平均推移:1988年12月末~2023年4月25日>

出所:楽天証券経済研究所が作成

 1990年代は、日本の金融機関が不良債権を抱えて苦しんだ時期です。日本長期信用銀行・日本債券信用銀行・山一證券など、大手金融機関がばたばた破綻しました。日本が金融危機を脱するのは、2003年です。りそな銀行に公的資金が入ったところで、金融システム不安はやっと解消しました。

 不良債権処理の過程で、13行あった都市銀行は、3メガ銀行(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ)に集約されました。

 1998年から2005年まで、銀行を含む、日本中のあらゆる産業で生き残りを賭けた「合併・リストラ」「構造改革」が進みました。その成果で、2003年から2007年まで日本企業の復活が続きました。「ようやく失われた10年を脱した」と言われました。

 ところが、それは、甘い期待でした。2006年から、「構造改革疲れ」という言葉がブームになり、合併破談・買収防衛策の導入が相次ぎました。そのころから、少子高齢化が一段と進み内需企業が疲弊してきました。

 さらに、力をつけたアジア企業(韓国・台湾・中国)がエレクトロニクス産業で、日本企業を追い詰めるようになりました。2008年にリーマン・ショックが起こると、日経平均は再び、大きく下がり、バブル崩壊後の安値を更新しました。平成が始まってから、リーマン・ショックに苦しむ平成20年(2008年)まで、日本は「失われた20年」を経験したと言われました。