2023年の株式相場予想

 新年明けましておめでとうございます。2023年も引き続き、公認会計士・税理士で現役の個人投資家という立場から、有益かつ実践的な知識・情報の提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、2023年のマーケットが始まっておりますが、この時期は新聞や雑誌、ネットメディア含め、「2023年の株式相場予想」の記事が花を咲かせています。

 本コラムを連載しています楽天証券の投資情報メディア「トウシル」でも、人気記事ランキングというものが載っていますが、2023年の株価や経済などを予想する記事が上位にランクインしています。

 このことから見ても、個人投資家の大きなニーズに「今後の株価が、国内外の景気が、為替レートが、金利がどうなるのか知りたい」というものがあることは明らかです。

 しかし筆者としては、年始に1年間の株価を予想することはあまり意味がないと思っています。

そもそも予想は当たらないもの

 筆者は、「これから株価がどうなるのか教えて!!」とか、「これから上がる株を教えて!!」という類のものは、個人投資家の誤ったニーズであると常日頃から申し上げています。

 なぜなら、このようなニーズが強い人ほど、株式投資で成功していないからです。そして、なぜ成功しないかといえば、次の三つの理由があるからです。

(1)そもそも予想は当たらないことが多い
(2)予想が外れた時の対処法が分かっていない
(3)株式投資の実力がつかない

 まず、(1)のとおり、そもそも予想は当たらないことが多いです。例えば年末年始には、「株式投資のプロ」と呼ばれる人たちが、その年の日経平均株価の高値・安値やその時期を予想していますが、これがいつもバラバラになります。

 初心者の個人投資家が陥る勘違いとして、「プロならば将来の株価が予想できる」というものがありますが、もしそれが本当なら、プロの予想はほぼ似通ったものが出てくるはずです。

 しかしそうなっていないということは、「プロではない人がかなり混ざっている」あるいは、「プロでも将来の株価は予想できない」のどちらかです。

 さらに、1年前の年末年始に掲げたプロの予想を、1年後に答え合わせすると、見事なほどに外れているケースもよくあります。2022年であれば、株価ではないですがドル/円レートがこれほどまでに短期間で急速に円安になったことを予想できたプロは皆無でした。

 ですから、たとえプロであっても、将来のマーケットの予想を正確に行うことはできないとまずは理解してください。