「買い注文」より「売り注文」の方がはるかに重要

 前回に引き続き、逆指値注文の活用方法についてです。前回は買い注文での活用法でしたが、今回は売り注文での活用法です。

 逆指値注文に限らないのですが、買い注文と売り注文では、売り注文の方がはるかに重要性が高いです。

 なぜなら、買い注文が成立した時点ではまだ損益は未定ですが、売り注文が成立した段階で、損益がいくらになるか確定するからです。

 つまり、売り注文をいくらで成立させるかにより、損益が変わってくるのです。

 また、買い注文は、約定しなければ単に「買えなかっただけ」で済みますが、売り注文はすでに保有している株を売る行為なので、約定のタイミングを誤ると、大きな損失につながりかねません。

 そこで、売り注文については「適切なタイミングで執行する」ことがとても重要になります。

逆指値売り注文が大きな効果を発揮するのはどんなとき?

 保有株を売却するとき、利食いで終えればよいですが、買った後株価が下がってしまい、損切りを余儀なくされるケースは多々あります。

 このとき、損失があまり大きくならないようなタイミングで売却することが求められます。

 筆者であれば、25日移動平均線を株価が明確に割り込んだら保有株は売却する、というルールを設けています。25日移動平均線を株価が割り込むと、さらにそこから株価が大きく下がる可能性が高まるからです。

 例えば25日移動平均線が1,000円にある株を1,015円で買ったケースで考えてみましょう。

 買った後株価が下がり、985円になってしまいました。そこで翌日売り注文を出して984円で売却しました。

 このようなケースであれば何ら問題はありません。

 問題なのは次のようなケースです。

 25日移動平均線が1,000円のとき1,015円で購入、その後株価が急落して気が付いたら900円になってしまった。

 慌てて翌日成り行き売りをしたが、800円で寄り付いたので想定外の大きな損失になってしまった…。

 本当なら985円くらいで損切りしたかったのに、800円で損切りをする羽目になってしまう、といったことも時に生じます。

 こんな時、逆指値の売り注文が効果を発揮するのです。