米国高配当株3:RGCリソーシズ(RGCO)

 Roanoke Gas CompanyおよびRGC Midstream, LLCを通じて、主に天然ガス・プロパンガスのエネルギーおよび関連製品・サービスを提供する流通持株会社です。

 1883年にバージニア州ロアノークで設立され、約140年にわたり同地域でエネルギーの供給を行ってきました。

 時価総額は2.2億ドルで、日本円で約300億円となっています(USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「ガス公益事業(Gas Utility)」の単一事業となっており、子会社と共に事業展開をしています。  

 傘下のRoanoke Gas Companyを通じて環境負荷の少ない低コストの天然ガスをバージニア州ロアノークとその周辺地域の住宅・商業施設・工場向けに供給しています。

競合他社

 競合他社として、規制された天然ガスの配給、パイプラインおよび貯蔵事業を行うアトモス・エナジー(ATO)、BUUK Infrastructure No 1 Limited(BUUK)を通じて、英国でユーティリティ資産を構築・運用するラストマイルユーティリティネットワークのプロバイダーであるブルックフィールド・インフラストラクチャー(BIPC)、主に天然ガスの生産、収集、輸送、流通、マーケティングを行うエネルギー持株会社であるナショナル・フューエル・ガス(NFG)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初と同程度の水準で推移しており、配当は19年連続で増配しています。業績の変動が少なく、それに伴って株価の変動も比較的少なく推移しています。

 季節要因やインフレによる業績への懸念はあるものの、長期にわたり安定して配当を出し続けている企業でもあり、中長期のスタンスで配当を目的として保有するのによいのではないでしょうか。 

業績動向

 2022年11月16日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 連結で純損失が発生しているものの、これはRGC Midstream, LLCの投資活動による減損費用であり、減損を除いた場合はプラスとなります。

 また、業績は前年同期比と同程度の水準であり、安定して推移しております。コロナ発生前の1株利益まで回復するにはインフレの鎮静化や、コストの削減などが必要となりますが、ピーク時に比べてインフレ率が下がっていることもあり、今後の業績回復と株価上昇が期待されます。

 次回は2023年2月6日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。 

注意点

 天然ガスが主力商品ですが、代替エネルギーが出たときや環境面で天然ガスへ逆風が吹く可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.79ドル
配当利回り:3.59%
株価:22.00ドル(約3,000円)

 この銘柄、権利落ち日は1月17日です(権利実施は2月1日の予定)。

 配当利回りは12月8日(日本時間)時点で3.59%、株価は22.00ドルでおよそ3,000円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2019年からの最高値は30.64ドル、最安値は18.02ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:バンク・オブ・ノバスコシア(BNS)

 カナダ第3位の銀行で、180年以上の歴史を誇る老舗の銀行です。世界50カ国以上で事業を展開しており、日本にも1962年から進出し事業を展開しています。

 カナダ国内商業銀行業務、国際商業銀行業務、投資銀行業務、ウェルスマネージメント業務の収益規模をそれぞれ25%程度となるようコントロールしながら自己資本比率、資産内容を常に安定させることを経営目標にしています。

 時価総額は593億ドルで、日本円で約8兆700億円となっています(USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「カナダ国内銀行事業(Canadian Banking)」で、続いて「国際銀行事業(International Banking)」、「グローバル金融市場部門事業(Global Banking and Markets)」、「グローバル・ウェルスマネージメント事業(Global Wealth Management)」、「その他事業(Other)となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「カナダ国内銀行事業」では、カナダ国内で住宅ローンや企業への融資業務などのサービスを提供しており、「国際銀行事業」ではクロスボーダーの企業買収、融資業務、顧客からの預金受け入れ業務、トレードファイナンス業務などのサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、個人、法人および機関投資家に対して、幅広い投資、財務および関連商品・サービスを提供するドイツ銀行(DB)、住宅ローンを含むリテールバンキング、法人・機関投資家向けバンキング、資産運用の事業を展開する多角的な金融サービス企業であるPNCファイナンシャルサービシーズ・グループ(PNC)、カナダのリテール、米国のリテール、ホールセールバンキング、および企業の四つのセグメントを通じて運営されるトロント・ドミニオン銀行(TD)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を3割程度下回って推移していますが、配当は今年増配しています。ロシアのウクライナ侵攻以降、米国の10年債利回りが上昇し、それに伴いカナダの国債利回りも急上昇するなど市況環境が大きく変化しています。

 そういった状況下でバンク・オブ・ノバスコシアもアジア事業の再編をおこなっており、リストラ費用などの再編にかかるコストが業績を圧迫し株価も年初水準から下落しています。

 しかし、年初には4%台だった利回りが現在は6%程度まで上昇しており配当を目的として保有するのにはよい水準ではないでしょうか。

業績動向

 2022年11月2日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回りましたが、売上は市場予想を下回りました。

 インドやマレーシアにおける事業縮小や、カナダ独自のポイントシステムである「Scene+」への投資拡大などで損失を計上したことにより前年に比べて業績は悪化しています。

 しかし、それらの損失を除けば事業の中心である「カナダ国内銀行事業」では住宅ローンおよびビジネス・バンキング・ローンが前年比2ケタ増となり、「国際銀行事業」でも商業用および住宅用モーゲージローンは堅調に伸びていることから今後の業績回復が期待されます。

 次回2023年2月28日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 配当は、カナダドルで出たのちに米ドルでの受け取りとなるため、為替レートによって受け取り額が変動する点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:3.03ドル
配当利回り:6.08%
株価:49.81ドル(約6,800円)

 この銘柄、権利落ち日は1月3日(権利実施は1月27日)です。

 配当利回りは12月8日(日本時間)時点で6.08%、株価は49.81ドルでおよそ6,800円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2019年からの最高値は74.58ドル、最安値は32.16ドルとなっています(終値ベース)。