米国高配当株5:OGEエナジー (OGE)

 オクラホマ州およびアーカンソー州西部を中心に電力の発電、送電、配電、販売を傘下のOG&E社を通じて行っています。OG&Eは120年以上にわたり電力事業を展開しており、オクラホマ州最大の電気事業者でもあります。

 現在、OGEエナジーは天然ガス中流事業部門から撤退しており、それで得た資金でさらなる増配を今後数年間にわたって予定しています。

 時価総額は80億ドルで、日本円で約1兆880億円となっています(USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「電気公益事業(Electric Utility)」で、続いて「天然ガス供給事業(Natural Gas Midstream Operations)」となります。

「電気公益事業」では、オクラホマ州およびアーカンソー州西部を中心に発電、送電、配電および電力販売を行っており、「天然ガス供給事業」は合併完了後のEnergy Transfer'sの持ち分が計上されています。

競合他社

 競合他社として、ハワイ州で電気事業、銀行事業、再生可能・持続可能なインフラストラクチャー投資事業を行う子会社を持つ持株会社であるハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ(HE)、契約したクリーンエネルギープロジェクトを取得・管理・所有するために設立された有限責任会社であるネクステラ・エナジー・パートナーズ(NEP)、ニューメキシコ州およびテキサス州で電力および電気サービスを提供する二つの規制対象ユーティリティ事業体を有する投資家所有の持株会社であるPNMリソーシーズ(PNM)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準近辺で推移しています。また、配当は今年に入ってから増配しています。

 季節要因や異常気象などの外部要因がなければ基本的に業績は安定しており、株価の変動もあまり大きくありません。

 また、2022年9月30日において天然ガス中流事業部門の業績を計上していたEnergy Transfer社の持ち分を全て売却したことで天然ガス中流事業からは完全に撤退し、電力事業に特化することとなりました。

 今後、経営資源を集中させていく中で業績拡大とそれに伴う株価上昇が期待されます。

業績動向

 2022年11月3日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 例年よりも暑かったことや電力の使用量が増えたことや、今まで行ってきた設備投資が業績に貢献し始めたこともあり市場予想を上回る決算となりました。

 今後の見通しについて、OGEエナジーは「天然ガス供給事業」のガイダンスを発表していないため2022年の連結収益ガイダンスも発表されていませんが、中心事業の「公益電気事業」は会社予想通りの業績で推移しており引き続き堅調な業績が予想されます。

 次回2023年2月23日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 昨年、大寒波が訪れた際には送電網に大きな影響が出たことで業績に悪影響が出ました。今後もそういった、外部要因による業績への悪影響が出る可能性には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.65ドル
配当利回り:4.17%
株価:39.49ドル(約5,400円)

 この銘柄、権利落ち日は1月上旬予定(権利実施は1月下旬予定)です。

 配当利回りは12月8日(日本時間)時点で4.17%、株価は39.49ドルでおよそ5,400円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2019年からの最高値は46.28ドル、最安値は23.67ドルとなっています(終値ベース)。

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