米国高配当株1:コナグラ・ブランズ(CAG)

 北米最大規模の食品会社です。「Birds Eye」、「Duncan Hines」、「Healthy Choice」、「Marie Callender's」などさまざまなブランドで事業を展開しています。

 また、2018年10月には同業大手の「Pinnacle Foods Inc」を買収するなど事業を拡大させています。

 時価総額は183億ドルで、日本円で約2兆4,900億円となっています(USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「冷蔵&冷凍食品事業(Refrigerated & Frozen)」と「食料品&スナック事業(Grocery & Snacks)」で、続いて「食品サービス事業(Foodservice)」、「インターナショナル事業(International)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「冷蔵&冷凍食品事業」では栄養価の高い冷凍野菜や保存料不使用製品であるBirds Eyeなどのブランドを中心に事業を展開し、「食料品&スナック事業」ではケーキミックスやブラウニーミックス、フロスティングなどを取り扱うブランドを中心に事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、アグリビジネス、食用油製品、製粉製品、砂糖とバイオエネルギー、肥料の五つの事業セグメントを展開する農業および食品会社であるブンゲ(BG)、調味料とソース、チーズと乳製品、食事、肉、リフレッシュメント飲料、コーヒー、その他の食料品を含む食品と飲料製品を世界中で製造・販売するクラフト・ハインツ(KHC)、冷凍ポテト、サツマイモ、前菜、野菜製品を世界中のレストランや小売店に供給するラム・ウェストン・ホールディングス(LW)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は今年に入って増配をしています。

 株価はインフレに伴うコストの増加を価格に反映させることで業績が拡大しており、それに伴って株価は上昇して推移しています。今後も、インフレ主導の価格設定によって業績は拡大する見通しであると会社側も発表しており、引き続き堅調な株価が予想されます。

業績動向

 2022年10月6日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。冷凍食品およびスナック製品の売上が順調に拡大したことで好調な業績となりました。

 特に、冷凍食品では朝食用ソーセージや植物性タンパク質が豊富な冷凍食品の売上が拡大し、スナック製品では電子レンジ用ポップコーン(microwave popcorn)やジャーキーなどのミートスナック製品の売上が拡大しています。会社側は、2023年前半は引き続きインフレが続くと予想していますが、後半にかけてインフレ率は鈍化していくと予想しています。

 また、そのインフレに対しては取り扱い製品の67%ですでに価格改定などでインフレに対応済みとしており、今後も堅調な業績で推移すると会社側も予想しています。

 次回2023年1月5日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 インフレの影響が会社側の見通しと異なる状況となった際に価格転嫁で補うことができない可能性があり、そのときは業績への悪影響が出る可能性には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.32ドル
配当利回り:3.45%
株価:38.23ドル(約5,200円)

 この銘柄、権利落ち日は1月下旬予定(権利実施は3月上旬予定)です。

 配当利回りは12月8日(日本時間)時点で3.45%、株価は38.23ドルでおよそ5,200円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2019年からの最高値は38.92ドル、最安値は20.85ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:RMRグループ(RMR)

 商業用不動産(CRE)とその関連事業に特化した、米国を代表するオルタナティブ資産運用会社です。運用資産は370億ドルを超え、35年以上にわたって商業用不動産の売買、融資、運営をおこなってきました。

 また、北米の商業用不動産専門組織である、Building Owners and Managers Associationより、優良物件の証であるBOMA 360の物件を最大規模で所有する企業として認定されています。

 時価総額は8.8億ドルで、日本円で約1,200億円となっています(USD=136円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は直近開示の決算より不動産管理の単一事業に変更となりました。

 その中で、RMRグループが子会社などから業務管理料、プロパティマネジメント料およびアドバイザリー費用を主に受け取っているのはナスダックに上場する7銘柄となります。   

 それらのうち、「Service Properties Trust(SVC)」はホテル投資とネットリース投資の二つの事業を展開しているREIT(不動産投資信託)で、「Diversified Healthcare Trust(DHC)」はヘルスケア施設を保有するREITです。他にも複数のREITを対象に事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、不動産、施設、プロジェクト管理、リース、キャピタルマーケッ ト、バリュエーション、その他のサービスを提供する世界的な商業用不動産サービス会社であるクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(CWK)、商業用不動産投資の販売、資金調達、調査、およびアドバイザリーサービスを専門とする証券会社であるマーカス・アンド・ミリチャップ(MMI)、モバイルアプリケーションおよびWebサイトで所有する不動産ブランドのポートフォリオを運営するジロー グループ クラスC(Z)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は今年に入って増配しています。

 業績は堅調に推移していますが、米国の長期金利上昇の影響を受けてS&P500などの主要指標が下落しており、それに伴ってRMRグループの株価も下落しています。

 しかし、RMRグループは無借金経営で、配当金も十分に確保されていることから市場の混乱に乗じてさまざまな資本配分戦略を追求できる体制を整えていると会社側も発表しており、これからの株価回復が期待されます。

業績動向

 2022年11月14日開示の四半期決算では、売上は市場予想を上回ったものの1株利益は市場予想をわずかに下回りました。

 決算発表直後は株価の変動がほとんどなく、その後、主要指標株価が上昇するのに伴ってRMRグループの株価も上昇しています。

 好立地の資産に対する賃貸需要は引き続き堅調で、2021年比で28%増、2019年度のコロナ発生前の水準と比較すると78%増となっております。

 好調な賃貸需要に伴って業績は堅調に推移しており、今後マーケットの回復とともに株価が回復することが期待されます。

 次回は2023年2月9日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 人件費が増加しており、会社側は時間の経過とともにその人員増加のコストを回収できるとしていますが、収益力が落ちた際に業績悪化につながる可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.6ドル
配当利回り:5.76%
株価:27.74ドル(約3,800円)

 この銘柄、権利落ち日は1月下旬の予定(権利実施は2月中旬)です。

 配当利回りは12月8日(日本時間)時点で5.76%、株価は27.74ドルでおよそ3,800円から購入できます(1USD=136円計算)。

 2019年3月からの最高値は76.42ドル、最安値は22.42ドルとなっています(終値ベース)。