自社株買いも発表

 両社とも継続的に自社株買いも実施していますが、三菱UFJFGの方がより積極的に自社株買いを実施していると評価できます。

 三菱UFJFGは11月14日、上限1,500億円(発行済総株式数の2.4%)の自社株買いを決議したと発表しました。取得期間は12月2日から来年3月31日までです。上限まで買えば、株価の理論価格が2.4%上昇します。

 上限まで自社株買いを実行すると、発行済み株式数が2.4%減ります。すると、純利益の総額は変わらなくても、1株当たり利益が約2.4%増えます。PER評価が変わらなければ、株価は理論上2.4%上昇することになります。

 1株当たり利益が増えれば、それだけ将来の増配余地が高まるとも言えます。予想配当利回り4.4%に加え、2.4%の自社株買いが全て実行されれば、とても魅力的な株主への利益還元となります。

 三井住友FGは11月14日、昨年11月に決議した自社株買いをやらないまま取得期間が終了したと発表しました。未公表の重要事実を有していると判断される可能性のある期間に取得を見合わせたことが、その理由としています。

 その代わり、新たに上限2,000億円(発行済総株式数の4.4%)の自社株買いを決議したと発表しました。取得期間は11月15日から来年5月31日までです。上限まで買えば、株価の理論価格が4.4%上昇します。予想配当利回り5.1%と合わせて、とても魅力的な株主還元になる可能性があります。