金利が下がる都度、売られてきた銀行株
三菱UFJFG、三井住友FGとも、高水準の利益をあげてきたにもかかわらず、株価は長期にわたり低迷してきたため、株価指標で見て割安となっています。両社の株価が過去どう推移してきたかご覧ください。
日経平均株価および三菱UFJFG・三井住友FG株の値動き比較:2007年1月~2022年11月(15日)

両社とも2008年以降、金利低下とともに売られてきました。金利が低下している間は、日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。
株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株を始めとして金融株が売り込まれました。
日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2022年11月(15日)

三菱UFJFG、三井住友FGとも、2020年まで日本の長期金利が低下する過程で売られ、さらに、ドルの長期金利低下を嫌気して売られました。
ところが、2021年以降、ドルの長期金利が上昇し始めると、世界的に金融株が上昇し、日本のメガ銀行株も上昇しました。世界の株式投資家は、今でも相変わらず、日本のメガ銀行株を、金利連動株として扱っています。
米国の金利上昇は、預貸金利ザヤの拡大を通じて、銀行業の収益にプラスに働きます。ただし、最近は米国の長期金利があまりに急ピッチで上昇したことに伴い、マイナスの影響も受けています。外債の含み損拡大(後述)がそうです。
プラスマイナス合わせると、プラスの方が大きいので、金利上昇でメガ銀行の株価が見直されるのは妥当と判断しています。