利益を無視して、夢だけで株を買い上げるのがバブル

 日本株は1980年代後半にバブルを、1990年以降にバブル崩壊を経験しました。

<日経平均(年次推移):1973~2022年(10月11日)>

(出所:QUICKより作成。グラフは日経平均株価、予想PERは東証一部平均、2022年は東証プライム平均。楽天証券経済研究所が作成)

 1973年当時、日経平均は5,000円前後でした。東証一部のPERは約13倍でした。この時の日本株は「割安」でした。

 ところが、その後日経平均はどんどん上がり続け、1989年(平成元年)末には3万8,915円の史上最高値をつけました。この時、東証一部のPERは約60倍まで上昇し、10~20倍が妥当と考える世界の常識をはるかに超えたバブルとなりました。

 バブルは、平成に入ってから崩壊しました(平成元年=1989年)。ただし、「平成の構造改革」で復活した日本株は2009年以降、再び上昇トレンドに戻りました。

 今、東証の予想PERは約13倍に低下し、妥当水準と考えられる10~20倍の範囲で見て、割安と考えられる水準に戻りました。利益や財務の改善で説明できる「実力」によって説明できる範囲で、日経平均は上昇してきたと言えます。30年前にバブルだった日本株も、今はバブルと程遠い状況にあると考えています。