投機筋は石油株・コモディティ・インフレ連動債・資源国通貨・円売りを選好

 インフレは小幅な利上げなどでは抑えられない。いったんは小休止しても、そこで金融引き締めを止めればインフレの第二波は制御不能なインフレとなるだろう。そこで登場するのが価格統制である。価格統制は資本主義経済から社会主義経済に移行する第一歩である。

 ジョー・バイデン政権にとっては、高いガス価格、供給不足はグリーン経済を解き放つ計画の一部であり、社会主義国家実現のための道具として、インフレも予定されたものなのかもしれない。

 6月7日のブルームバーグの報道『原材料価格の指標が最高値更新、エネルギー・食品の供給網混乱で』によると、「商品のスポット価格の指標が急伸し過去最高値を更新した。ウクライナでの戦争によるエネルギーや食品の供給網の混乱が続き、中国が新型コロナウイルス対策の制限措置の緩和を進めていることも影響している。原材料23種で構成されるブルームバーグ商品スポット指数は6日、1.9%上昇し最高値を付けた。天然ガスや小麦の先物が急伸したことが主因。年初からでは36%上げ、このままいけば年間ベースでこの10年余りで最大の上昇を記録することになる」という。

 こうした状況の中、今年の相場ではNY原油CFDや石油株が暴騰している。コモディティとインフレ連動債が選好され、外為市場では豪ドル/円やカナダドル/円の資源国通貨が(ドル/円の円安更新と相まって)、強烈な買いトレンド相場になってきた。

NY原油CFD(日足)

(赤↑=買いシグナル・黄↓=売りシグナル)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

エクソンモービル(日足)

(緑↑:買いシグナル・赤↓:売りシグナル)
出所:石原順

シェブロン(日足) 

(緑↑:買いシグナル・赤↓:売りシグナル)
出所:石原順

豪ドル/円(日足)

(赤↑=買いシグナル・黄↓=売りシグナル)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

カナダドル/円(日足)

(赤↑=買いシグナル・黄↓=売りシグナル)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 バイデン政権のポストCOVID経済における「グリーン」シフトが続く限り、「グリーンフレーション」は終わりそうもない。