先週の株式市場は「陰の極」ともいえる、とめどない下落が続きました。しかし、13日(金)にようやく反転上昇。今週16日(月)から20日(金)、株価の下落は収まるのでしょうか?

先週:物価高、利上げ、景気後退の三重苦で株価沈没!

 先週の日経平均株価は6日(金)終値から12日(木)終値まで実に1,255円も下落しました。
最大の要因は、止まらない米国の物価上昇と、それを抑えるための強硬なQT(量的金融引き締め)に対する懸念です。

 9日(月)に発表された4月の中国輸出額が上海ロックダウンの影響で急減したことも、中国経済の影響を受けやすい日本株の足を引っ張りました。

 焦点だった11日(水)の米国の4月CPI(消費者物価指数)は、前年同月比8.3%増と8カ月ぶりに鈍化。

 しかし、価格変動の激しい食品やエネルギーを除いた、個人の物価指数を示すコアCPIの前月比の伸びは再び0.6%増と加速。

 物価上昇を抑えるため、米国中央銀行FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが当面続くことで、米国が景気後退に陥るのではないかという不安感が台頭しました。

 機関投資家が運用指針にするS&P500種株価指数は11日(水)に終値ベースで4,000ポイントの大台割れ。利上げに弱い割高なハイテク株が集まるナスダック総合指数は前日比3.2%も下落しました。

 12日(木)も下落が続き、米国の主要3指数はそろって年初来安値を更新しました。

 一方、日本市場は先週、決算発表のピークを迎えました。

 11日(水)の取引時間中には、トヨタ自動車(7203)の2022年3月期営業利益が過去最高の3兆円近くに達したことが発表されましたが、好決算にもかかわらず、株価は前日比4.4%も下落。

 12日(木)夕方に、2022年3月期の当期損失が過去最悪の1.7兆円に達したことを発表したソフトバンクグループ(9984)は、決算発表前から売り込まれて、前日比5.9%も急落。

 12日(木)以降は株安や景気後退懸念で、米国の長期金利が低下したため、為替市場ではドル/円128円まで2円ほど急落。それが12日(木)の日経平均株価の大幅続落につながった面もあります。

 逆に、今期増益見通しと大規模な株主還元を発表した川崎汽船(9107)リコー(7752)三菱重工業(7011)など、製造業関連の割安株は逆行高。

 コロナ禍から立ち直り、今期黒字転換を見込むANAホールディングス(9202)KNT-CTホールディングス(9726)など、決算発表の内容はおおむね良好でしたが、全体相場の下落に歯止めはかかりませんでした。

 しかし、13日(金)の日経平均株価は、前夜の米国市場で長期金利が低下し、ハイテク株中心にリバウンド上昇が起こったことから、前日比678円高。

 12日(木)までの下げの半値戻しで、先週の取引を終了しました。