ココをチェック!業績悪化する企業としない企業

 業績が悪化するのか、しないのかですが、そのきざしを捉える上で、私がみているものをお伝えしたいと思います。それは、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)の4週前比増減率です。

グラフ2 日経平均株価と来期・再来期調整予想EPS4週前比増減率の推移

*予想EPSは、来期予想と再来期予想を独自に調整しています。
*3カ月以上マイナスが続いた後にプラスに転換したところをプラス転換(青)、3カ月以上プラスが続いた後にマイナスに転換したところをマイナス転換(ピンク)で示しています。
出所:IFIS提供データを基にマネーブレインが独自分析し作成

 このグラフ2において注目したいのは、予想EPS4週前比増減率がマイナスに転じたところです。このマイナス転換は悪化のきざしを示すもので、2013年12月を除いて、その後に企業業績が悪化し、株価の下落につながっています。

 今週から3月決算銘柄の決算発表が本格化してきますが、今後、マイナス転換が現れるのかどうかに着目しています。

「悪くなると思う」「思わない」という推測で動くのではなく、マイナス転換が現れればさらなる下落に備えて現金ポジションを十分に確保する動きをし、プラスの状態が続けば一段の下落は考えにくいために下がったところがあれば買っていくという、1つの基準を私は設けています。

 このように、推測ではなくて、業績が悪くなって実際に株価が大きく下がる前に業績悪化のきざしを捉えられるような何らかの基準を持っておくことがおすすめです。何でもよいので持っていると、下げ始めでの買いを避けることができ、基準があることで迷うことなく動くこともできるのではと考えています。

 投資はあくまでも自己責任で。