日本企業の業績拡大は続くと予想

 私は、いろいろな不安はあっても、新年度も日本企業の業績拡大が続くと予想しています。したがって、日本株は、短期的には下値波乱があっても、長期的には良い買い場となっていると判断しています。その判断で良いか、これから本格化する3月決算の発表を慎重に見極める必要があります。

 参考までに再編前の東証一部、3月期決算主要841社の業績推移をご覧ください。

再編前の東証一部上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)

出所:各社決算資料等から集計。期初予想は5月時点の発表。実績は最終着地。2022年3月期の会社予想を公表していないソフトバンクGではQUICKコンセンサス予想を使用。楽天証券経済研究所が作成

 3月期決算主要841社の2018年3月期実績から2022年3月期(会社予想)までを掲載しました。各年度の期初会社予想と、実績(最終着地)を比較してご覧ください。期初→実績が増額修正となっている年度は日経平均が上昇、期初→実績が減額修正となっている年度は日経平均が下落する傾向が強いことが分かります。

 今期(2022年3月期)は、期初(2021年5月時点)会社予想が19.1%の増益でしたが、4月19日時点で、35.2%増益に増額修正されています。ところが、日経平均は前年度末(2021年3月末)対比で7.5%下落しています。今後、利益予想の減額修正が急速に増えない限り、日本株はいずれ業績を見直した買いが入ると予想しています。

 最後に、著書発売のお知らせです。4月18日、主婦の友社より私の著書「クボッチ先生のやさしい投資入門」が発売されました。

 私にとって初めて、マンガで解説する投資入門書です。投資信託・ETF(上場投資信託)・日本株・米国株・成長株・割安株・NISA(少額投資非課税制度)・iDeCo(個人型確定拠出年金)などなど、これから資産形成を始める人が知っておくべき内容を、ひと通りぎゅっと詰め込みました。ぜひ、ご参照ください。

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