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クロス円の逆張りポイント
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

クロス円の逆張りポイント

2011/2/25
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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もう何年にもわたって為替のマーケットでは「金利差相場」が続いている。その時々でいろいろなマーケットテーマが浮上し、それを材料に相場が展開していくが、マーケットの底流にずっとあるものは「金利差」である。

独・米10年国債金利差とユーロ/ドルの推移(日足)


(出所:石原順)

現在の為替のマーケットは「金利差(利上げ観測)相場」と、新たに浮上した「中東・北アフリカ情勢不安」の2大マーケットテーマで動いている。前者の金利差相場はユーロとポンドで展開されている。後者の「中東・北アフリカ情勢不安」というテーマは、言い換えれば安全資産への逃避で、通貨の世界ではスイスと円が選好されるという流れとなる。

「中東・北アフリカ情勢」が先行きどうなるか、誰も明確な絵が描けない。筆者のところにも毎日いろいろな情報が飛び込んできているが、筆者の仕事は中東・北アフリカ情勢を分析することではないので、あくまで「価格」そのものの動きだけを注視することにしている。

価格と言うことで言えば、投機筋が最も気にしているのは原油と米国株の動きである。原油と米国株の動きによって、マーケットのリスク許容度と不安心理がある程度推測できる。

NY原油(左)と米10年国債金利(右)の日足


(出所:石原順)

ナスダック総合指数(左)とNYダウ(右)の日足


(出所:石原順)

「中東・北アフリカ情勢不安」に揺れる金融マーケットだが、筆者の色眼鏡出見る限り、現在の為替のマーットにはトレンド(方向性)はまだ発生していない。ドルインデックスの動きを観察すると、現在14日ADXも26日標準偏差ボラティリティも下落調整中であり、次の方向性を確認するには14日ADXと26日標準偏差ボラティリティが上昇するのを待つ必要があろう。

ドルインデックス先物(左)とユーロ/ドル(右)の日足


(出所:石原順)

上のドルインデックスのチャートは昨年の9月から2011年2月の期間の動きであるが、歴史的な国際資金循環の季節性を観察すると10月~3月半ば頃まではドル安基調になる可能性が高い期間である。ドルインデックスの動きをみると、今年もその季節性が反映されているのではないかと思われる。

ドル相場と国際資金循環の季節性(基本パターン)

1月から3月半ばまでウダウダとした相場?


(出所:石原順)

ドルインデックスに方向性は無いものの、逃避通貨であるスイスフラン相場が動意付き、年初からレンジ内での往来相場となっていたドル/スイスは、レンジの下限を下抜け、対ドルで史上最高値を示現した。

現時点では移動平均が横這い傾向なので、またすぐに21日ボリンジャーバンド1σの内側に相場が戻る可能性も大きい。先行きのメドがない「最高値相場」というのを筆者は好まないが、標準偏差の波形をみると、相場にエントリーする価値(1σラインでの損切り注文必須)はある。慎重なスタンスの投資家は1時間足での相場参戦がよいだろう。

ドル/スイス(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

ドル/スイス(1時間足)

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21時間ボリンジャーバンド1σ(紫)

冒頭で述べたように、外為市場の底流にあるのは金利差相場である。今週はECBの要人から相次いでインフレリスクを警戒する発言があり、早くて第4四半期といわれていた利上げが、今年の夏にもあり得るのではないかという憶測も出ているという(リーマン危機の2カ月前にECBは原油高を理由に利上げしていることからこういう話が出てくる)。

ユーロの上昇に拍車をかけたのは原油高で、私の周辺にいるファンドは「原油買い」と「ユーロ買い」をセットで同時に行うことが多いが、それは原油高→物価上昇→ECBの利上げというロジックに起因している。

また、英国も今週発表されたBOE議事録で、利上げを主張した委員が前月の2名から3名に増えたことで、BOEに対する早期の利上げ期待が高まり、ポンドは堅調な展開となっている。

金利差と危機回避の複合相場のなかで、クロス/円相場は特にややこしいが、昨日、豪ドル/円、ニュージーランド/円が筆者の「逆張りポイント」水準に到達した。具体的には豪ドル/円が21日ボリンジャーバンド-2σ水準に下落し、ニュージーランド/円は13日移動平均-3%水準に下落したということだ。

この「逆張り」のロジックは、先週のレポート「相場の動く範囲とテクニカルツール」で説明しているので、そちらを読んで頂きたい。現在の環境では、これらの逆張り商いも短期勝負とならざるを得ないが……。

ニュージーランド/円(日足) 逆張りはストップロス注文必須です

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13日移動平均3%乖離(橙色)

豪ドル/円(日足) 逆張りはストップロス注文必須です

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド2σ(青)・13日移動平均3%乖離(橙色)

金利差相場はどうなるかわからないが、中東・北アフリカ情勢不安が続いているうちは、基本的にスイス買い・円買いという流れが続きそうだ。日々の相場の動きについては、ブログ『石原順の日々の泡』で更新しているが、最近のアクセス者数の多さに筆者も驚いている(どうか、あくまで参考意見としてご利用ください)。

中東・北アフリカ情勢の緊迫化を睨んで、リスク回避型相場が続いている。現在の相場は「何が起こるかわからない」環境なので、かならずストップロス注文を置いておきたい。資産を守ってくれるのは、情報ではない。ストップロス注文だけである。

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