ロシア・ウクライナ情勢に鑑みた損失発生のリスク

 JTは、ロシア事業での損失発生の可能性について、3月23日に公表した第37期(2021年12月期)有価証券報告書にて、重要な後発事象として開示しています。

 同社は、「ロシア市場における事業環境は、過去に例のない厳しいものとなっており、今後の事業への影響は多岐にわたるものと想定されます」としたうえで、「(第37期有価証券報告書の)提出日現在において、今後の見通しや業績への影響については合理的に見積もることができません。」としています。

 ロシア事業の損益の下ぶれ幅が、悲観シナリオと楽観シナリオで大きく異なるため、現時点で合理的に見積もることができないというのは、妥当な判断だと思います。

 投資家として注意すべきは、現時点で業績の下方修正が発表されていないのは、合理的な見積もりができないからであり、いずれ何らかの形で見積もりが可能になった時点で、業績予想が下方修正される可能性があるということです。