「指数ベース」が実態
日経平均の構成銘柄について、構成比率を見てみましょう。
日経平均株価の構成比率 上位10銘柄(2022年3月18日時点)
順位 | 銘柄コード | 銘柄名 | 構成比率 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 9983 | ファーストリテイリング | 7.91% | ||
2 | 8035 | 東京エレクトロン | 7.67% | ||
3 | 9984 | ソフトバンクグループ | 3.91% | ||
4 | 9433 | KDDI | 3.16% | ||
5 | 6367 | ダイキン工業 | 2.94% | ||
6 | 6954 | ファナック | 2.74% | ||
7 | 4063 | 信越化学工業 | 2.41% | ||
8 | 6857 | アドバンテスト | 2.34% | ||
9 | 6098 | リクルートホールディングス | 2.09% | ||
10 | 4543 | テルモ | 1.95% | ||
出所:日経平均プロフィル |
ユニクロを展開するファーストリテイリングと半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンが7%台と大きく、ソフトバンクグループ、KDDIと続いています。
次に、日経平均構成銘柄の時価総額を見てみましょう。
日経平均構成銘柄の時価総額上位10銘柄(2022年3月18日時点)
順位 | 銘柄コード | 銘柄名 | 時価総額(百万円) | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 7203 | トヨタ自動車 | 32,825,760 | ||
2 | 6758 | ソニーグループ | 15,612,195 | ||
3 | 6861 | キーエンス | 13,298,597 | ||
4 | 9432 | 日本電信電話 | 12,658,935 | ||
5 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 10,077,053 | ||
6 | 9433 | KDDI | 9,265,104 | ||
7 | 8035 | 東京エレクトロン | 9,119,804 | ||
8 | 6098 | リクルートホールディングス | 9,036,075 | ||
9 | 9984 | ソフトバンクグループ | 8,516,562 | ||
10 | 7974 | 任天堂 | 7,924,606 | ||
出所:楽天証券 スーパースクリーナーを用いて作成 |
構成比率の上位10銘柄と、時価総額の上位10銘柄で共通している銘柄は4銘柄となっています。ちなみに時価総額トップのトヨタ自動車の構成比率は1.32%なので、日経平均に対する影響度合いはファーストリテイリング(7.91%)の6分の1しかありません。一方で、時価総額でみると、トヨタはファーストリテイリング(6,349,572百万円)の5.1倍もあります。
日経平均は「加重平均」ではなく「指数ベース」で算出されていてファーストリテイリングの影響が大きいのに、用いるPER、PBRの値が「加重平均」だとトヨタ自動車の影響が大きいということになり、異なる算出方法の物差しで測っていることになります。
測るとしたら同じ算出方法の物差しで測らないと公正とは言えないでしょう。PER13倍(加重平均)とPER17倍(指数ベース)では、受ける印象も大きく違ってくるのではないでしょうか? 日経平均の算出方法と同じ「指数ベース」でPERもPBRも見るようにしないと、実態とは異なる判断、誤認になってしまうと私は考えますが、皆さんはどう思いますか?