対処法は大きく分けて二つしかない

 では、具体的にどのようなアドバイスをするかといえば、大きく分けて次の二つのいずれかしかありません。

(1)損切りする
(2)売らずに保有を続けて株価回復を待つ

 現時点での損失率が20%程度までに収まっているのであれば、速やかに損切りすることを勧めます。確かに損切りにより損失は実現しますが、その一方、売却したことで新たなキャッシュが手に入ります。

 このキャッシュを使って、より有望な銘柄へ投資することができるからです。

 現時点での損失率が80%くらいまで達しているのであれば、もはや売却しても新たなキャッシュはあまり手に入らないので、売らずに保有を続けてよいのではないかと思います。

 塩漬け株の存在は忘れてしまい、その代わりこれからは塩漬け株を作らないようにしっかりとルールを設けて実践していこう、と気持ちを切り替えてもらいたいです。

 もし、現時点での損失率が40%とか、50%程度の場合は、かなり悩ましいです。起きてしまったことはあきらめて、将来頑張る、つまり売らずに保有を続けるという選択肢もありますし、損切りして将来投資に回せるキャッシュを確保しておくという選択肢もあります。

 決断がつかなければ、半分とか3分の1だけ損切りするという手もあると思います。

 ここから株価が買値まで戻るか、さらに下落してしまうかは分からないわけですから、分からないものをいつまでも考えていても意味はありません。ご自身でどちらにするか決断するしかないと思います。新たにキャッシュを得て他の銘柄に投資するための資金を作りたいなら、思い切って損切りするのは一法かな、と個人的には思います。

ぜひとも身に付けておきたい一生役立つルール

 正直申し上げて、「塩漬け株の対処法」を聞かれても筆者は困ってしまうのです。なぜなら、筆者は塩漬け株を絶対つくらないよう、売買のルールを設定してそれを必ず守っているので、塩漬け株が発生するシチュエーションに自分自身がおかれることがないからです。

 ですから、個人投資家の皆さんも、ぜひとも塩漬け株を発生させないために、あるルールを身に付けておいていただきたいと思っています。

 そのルールは「25日移動平均線を割り込んだら保有株を売る」。たったこれだけです。これを守っていれば、下落の初期段階に損切りすることができるので、多額の含み損を抱えた塩漬け株が発生することはありません。

 このルールの優れているところは、一度身につけてしまえば、一生使えるため、塩漬け株の苦しみからずっと解放されるという点です。

 本格的な長期下落相場ともなれば、株の保有を続けるだけで塩漬け株が大量に発生してしまうでしょう。塩漬け株を防ぎ、買い時が到来したときにしっかりとキャッシュを確保しておくために、適時の損切りが非常に大事であること、そして損切りを行うことによって塩漬け株に悩むことはなくなるということをぜひ理解してくださいね。

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