米国株は十分に下げてはいない!?

 投資家が疑問に思っているのは、年明けの下落が一服したかどうかだ。現在のウォール街の雄と呼ばれるブラックロックのストラテジスト、ウェイ・リ、アレックス・ブレイジャー、ベアタ・ハラシム、ナタリー・ギルは、顧客向けリポートで「金利上昇を考慮すれば、バリュエーションを理由に投資判断を引き上げるほど、十分に下げてはいないと考える」と説明した。

 2月2日のCNNマネーの恐怖と欲望指数は「35」と、さほど上りも下がりもしないという「中途半端な恐怖」の相場が続いている。

恐怖と欲望指数 2022年2月2日

出所:CNNマネー

恐怖と欲望指数の推移(2019~2022年)

出所:CNNマネー

 逆張り派もCNNマネーの恐怖と欲望指数が「20」あたりまで低下するまでは、押し目買いをためらっているという。

 より大きな下落が始まるのか、それともここで踏みとどまるのか…。企業業績が悪くなくてもネットフリックス、ペイパル、メタのように急落するパターンが増えている。投資家は佳境を迎えつつある企業の決算発表を祈る思いで確認しているだろう。

 利上げや金融引き締めに対する懸念が株価を押し下げ、さらに下落した株価が懸念を高めるループに入っている。

 好調な決算を受けても売られる背景として、投資家が「将来の業績に対するサプライズ要因が以前より小さくなっている」ことを懸念しているとの報道もあるが、先行きの不透明感が高まる中、利益の出ている投資家は今のうちにと売りを先行させているのだろう。