米インフレ高止まり・長期金利上昇は、オールドバリュー株には追い風

 米インフレ率は昨年11月時点で6.8%まで上昇し、FRBの政策ターゲット(コアインフレで2%)をはるかに上回っています。インフレ高止まりが予想以上に長びいていることを受けて、FRBはタカ派色を強めています。

 14日発表の12月米小売売上高が前月比1.9%減と10カ月ぶりの大幅な落ち込みとなったことを受け、米インフレも低下に向かうとの見方も一部に出ましたが、FRBのタカ派姿勢が変わることはないとの見方が大勢です。

 そうした背景から米長期金利が1.8%手前まで上昇した流れを受けて、ハイテクグロース株には売り圧力がかかりました。

米長期金利の推移:2020年1月2日~2022年1月14日

出所:QUICKより作成

 ところが、インフレ・金利上昇が長引いているということは、多くの景気敏感バリュー株にとって有利な経済環境が続くことを意味します。

 モノの値段や資源価格が高止まるということは、製造業や資源関連株に追い風です。ドル金利が上がるということは、金融業に追い風です。これまでオールド産業として株価が低迷してきた、「3大割安株(金融業、資源関連、製造業)」の見直しにつながっています。

 なお、3大割安株という言い方は、私が勝手にネーミングしているだけで、業界でそういう表現があるわけではありません。しばらく、景気敏感バリュー株を見直す動きが続くと予想しています。