海外の株価指数が対象のレバレッジ型が増えている

 レバレッジ型といえば、これまでは日経平均株価をはじめ国内の株価指数を対象としたタイプが主流でした。ところが近年は、良好な株式市場を背景に、NASDAQ100指数やS&P500種指数などの海外の株価指数を対象としたタイプの設定が増えています。

 冒頭で触れた「レバナス」も、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(大和アセットマネジメント)の人気の高まりとともに、SNS(交流サイト)などで広まっていったようです。

 また、11月17日には、楽天投信投資顧問より「楽天レバレッジNASDAQ-100 (愛称:レバナス)」が新たに設定されます。ぜひチェックしてみてください。
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 レバレッジ型の仕組みそのものは、連動対象が国内の株価指数でも、海外の株価指数でも変わりありません。

 したがって、株式市場が一方向に動かないとリターンを期待しにくいという点や、いわゆるボックス圏(株価指数が上昇と下落を繰り返す)相場だとリターンがだんだん減ってしまうという点は同じです。

≫レバレッジ型(ブル・ベア型)の商品性について詳しく知りたい方はこちら

「レバナス」タイプ、2つの注意点と賢い活用法

 一方で、海外株式ならではの特徴として、以下の2点には注意する必要があります。

注意点1:現在参照している株価水準と、基準価額に適用される株価水準にタイムラグがある

投資信託で『安く買って高く売る』はできるのか?」でも解説した通り、国内株式型ファンド(投資信託)の場合、極端に言えば、申し込み締切時間ギリギリまで日経平均株価の動向を見て、購入や解約の判断をすることもできないわけではありません。

 締切時間までに申し込みを済ませたファンドの購入や解約注文に適用される基準価額は、当日の日経平均株価を反映したものになるためです。

 一方、米国株式をはじめとする海外資産に投資するファンドの場合、申し込んだ日の翌朝(日本時間)の終値と為替レートを反映して基準価額が算出されるため、購入時に参照している株価水準との間にタイムラグが生じます。

 したがって、海外レバレッジ型で、市場が大きく動いたタイミングを狙い、ピンポイントで取引をするということは事実上不可能です。

 基準価額の値動きが荒く、また、マーケットを見ながらの取引が難しいという特性を生かし、思い切って積み立てで投資するというのも一つの方法です。

 前述した大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ」シリーズ、農林中金全共連アセットマネジメントの「NZAM・レバレッジ」シリーズのほか、17日設定の楽天投信投資顧問「楽天レバレッジNASDAQ-100 (愛称:レバナス)」(※)などは積み立てに対応しています。相場動向を見極める自信がないという人は、積み立てを検討してもよいでしょう。

※「楽天レバレッジNASDAQ-100」の積立注文は、2021年11月17日からとなります。当初募集期間は、スポット購入のみとなります。