※本記事は2021年12月26日に公開しました。最新情報に更新してお届けします。
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500種指数など、特定の株価指数に連動するよう設計された投資信託のこと。シンプルな仕組みと、コストの安さが魅力です。
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)のつみたて投資枠では、インデックスファンドで投資信託の積み立て(以下、投信積立)を行っている方も多いと思いますが、今一度原点に立ち返って、インデックスファンドと上手に付き合うためのコツを確認しておきましょう。
インデックスファンドそのものは「低リスク」ではない
チェーン店のレストランは、マニュアルに沿った運営によって、コストを抑えながら一定水準の味やサービスを提供しています。これと同じように、インデックスファンドも、ルールに沿って、コストを抑えた運用を実現しています。
こうしたコストの安さと、商品性の分かりやすさから、インデックスファンドを「初心者向け」で、かつ「低リスク」と、早合点してしまっている方も増えているように見受けられます。
金融庁が公認する、つみたて投資枠の適格商品の大部分が、指定されたインデックスへの連動を目指す「指定インデックスファンド」であることからも、インデックスファンドを「初心者向け」と解釈するのは自然な流れかもしれません。
しかし、インデックスファンドそのもののリスクは、連動を目指す株価指数(ベンチマーク=市場平均)と同程度であって、それ以上でもそれ以下でもありません。例えば、連動を目指す株価指数が日経平均なら、期待できるリターンは日経平均とおおむね同じ。
リスク水準もまた、日経平均と同程度です。短期的に大きな下落を経験する可能性もあることは気に留めておく必要があります。
投資初心者でも取り組みやすいとされるNISAのつみたて投資枠で、インデックスファンドの選択肢が多いのは、ファンドそのもののリスクが低いからではなく、長期積立と相性が良いからです。
インデックス積み立て、成功の秘けつは「受け身」で居続けること
そもそもインデックス投資とは、パッシブ、つまり、受動的な運用の一形態です。インデックスファンドは、ベンチマークに掲げた指数と「運命共同体」の状態にあるため、アクティブファンドのように柔軟な運用を行い、市場リスクを回避することは難しいのです。
そこで、積み立てという形で買い方を工夫し、時間分散を図り、段階的にリスクを低減させるのです。投信積立には、毎月一定額の投資信託を継続的に購入・積み立てていくことで、平均購入価格を平準化できるというメリットがあります。
また、マニュアルに沿った運用を行うため、アクティブファンドと比べて保有期間中にかかるコスト(信託報酬)が低いという特徴もあります。
インデックスファンドで積み立てをするときは、「受け身」のスタンスで、短期的な値動きに一喜一憂することなく、継続することが重要です。市場の下落局面で焦ってファンドを入れ替えたり、欲張って追加購入したりすると、市場が思わぬ方向に動いたときに傷口が広がり、身動きが取れなくなります。
インデックスファンドは、それ自体のリスクが低いのではなく、あくまでも積み立てを続けることで結果的にリスクが抑えられるということを覚えておきましょう。