投資信託という金融商品は基本的に中長期投資を前提としていますが、実は短期売買に適した投資信託というのも存在します。それが、ブルベア型と呼ばれる商品です。

 ブルベア型ファンドは、デリバティブ取引を活用することで、レバレッジ(てこの原理)を効かせ、投資資金の何倍もの投資効果を追求します。このため、基準価額の値動きが荒く、非常にリスクが高いという特徴があります。相場環境に応じた、迅速な投資判断が求められる数少ない投資信託です。

 ブルベア型の「ブル」とは、英語で雄牛を意味し、角を下から上に突き上げて攻撃する姿を連想させることから、上昇相場を指します。上昇相場でリターンを期待できるのがブル型の特徴です。

 一方、「ベア」とは熊を意味し、熊が爪を振り下ろして攻撃する姿を連想させることから、下落相場を指します。下落相場でリターンを期待できるのがベア型の特徴です。株式投資になじみのある方なら、「空売り」と同じ投資効果が得られると考えると分かりやすいかもしれません。

 ブルベア型で本数が最も多いのは、国内株式指数を対象とした商品です。一般的に、日本株ブル型は日経平均先物を買い建てることで、また、日本株ベア型は日経平均先物を売り建てることで、日々の基準価額の値動きが国内株式市場全体(実態的には日経平均株価)の値動きの数倍程度になるよう運用が行われます。この倍率(レバレッジ)の大きさは商品によって異なり、2倍程度から高いものだと4.3倍まで展開されています。レバレッジの大きい商品ほど高いリターンを期待できる一方、相場が思わぬ方向に動いたときの損失は大きくなります。

 では今回も、クイズを通して、ブルベア型ファンドについて理解を深めていただきましょう。

クイズ次の説明で、正しいものには〇を、間違っているものには×を付けてください
  1. 日経225連動型インデックスファンドの1年騰落率が+10.0%だった場合、同期間の「楽天日本株4.3倍ブル」の騰落率は+43.0%程度である
  2. 相場(株価指数)の動きによっては、ブル型とベア型がともに下落することがある

 いかがでしょうか。ブルベア型には、海外の株価指数の値動きを参照する商品もありますが、今回はひとまず国内株式型を想定して考えてみてください。ブルベア型の基本的な商品の仕組みは、参照する株価指数が違っても基本的に同じです。それでは、答えを見ていきましょう。