国策優先度高し!再生可能エネルギー関連に注目

 今回の注目セクターは再生可能エネルギー関連です。

 習近平国家主席は昨年来、国際会議において“2030年までに二酸化炭素排出量をピークアウトさせ、2060年までに排出量から除去量を差し引いた分をゼロとする(双炭)”と繰り返し発言しています。双炭政策は事実上、国際公約となっています。十四五計画では、“双炭政策”について、達成させるためのカギとなる期間であり、出発点なる重要な時期であると指摘しています。

 共同富裕の達成において“双炭政策”は重要な戦略の一部です。また、再生可能エネルギーに対する発展政策は、“双炭政策”において核となる部分です。

 再生可能エネルギー関連の政策については、今年に入り重要なものが矢継ぎ早に打ち出されています。

 国務院は2月、「健全なグリーン低二酸化炭素循環発展経済システムを素早く打ち建てるための指導意見」を発表。2025年、2035年のカーボンニュートラル、グリーン経済に関する主要目標を設定しました。風力発電、太陽光発電の発展を大きく推進させるといった内容です。

 3月に開かれた中央財経委員会会議(第9回)では、双炭政策が議題に上り、これが国家政策として高い順位にあることが示されました。

 国家エネルギー局は4月、「2021年エネルギー業務指導意見」を発表、具体的な今年の数値目標を設定しました。その他、二酸化炭素放出権に関する政策、開発に関する具体的な政策が幾つも発表されています。

 実は、性急な政策実行により、石炭の供給が不足、それが電力不足や、エネルギー、素材などの価格急騰を引き起こしています。9月の生産者物価指数は前月と比べ1.2ポイントも高い10.7%となるなど、副作用が出ています。

 短期的には双炭政策の推進力が落ちる可能性がありますが、長期的には優先順位の高い政策であることには変わりありません。

 関連銘柄の株価が急騰してないことは、むしろ投資家にとっては好都合かもしれません。

注目の中国株1:龍源電力(00916)

 国家エネルギー投資集団傘下の電力会社です。風力発電能力では世界最大規模を誇ります。部門別売上高では風力発電が72%、火力発電が27%、その他が1%を占めています。国内がメインですが、カナダ、南アフリカでも風力発電事業を行っています。

 2021年6月中間期業績は26%増収、38%増益となりました。

 第14次五カ年計画が始動、数値目標から開発・建設に至るまでたくさんの環境関連政策が打ち出されたことで6月末現在、業界全体で風力発電量は34.7%増加しました。

 ちなみに、中国全体の発電容量は前年同月比で9.5%増でした。こうした積極的な新エネルギー政策が設備容量、売電価格の両面から同社の業績をけん引しています。

 国家による環境関連政策が風力発電ではトップ企業である同社の業績を長期的に引き上げると予想します。