注目の中国株2:華潤電力控股(00836)

 国家投資機関である華潤集団傘下の大手電力会社です。発電容量(2021年6月末)では、火力発電が全体の68%、風力、水力、太陽光などの再生可能エネルギー発電は32%です。

 また、売り上げ構成(2021年6月中間期、以下同様)でも火力発電が76%あり、再生可能エネルギー発電は24%にとどまっていますが、コア利益では再生可能エネルギーが全体の85%を占めています。

 2021年6月中間期業績は35%増収、13%増益となりました。販売電力量を見ると、全体で23%増加しています。火力発電が18%増であるのに対して風力発電が50%増、太陽光発電が56%増と再生可能エネルギーの増加が目立ちました。

 ただ、石炭価格の上昇による燃料費の急騰などから、火力発電部門が大きく足を引っ張り、利益の伸びは売り上げの伸びを下回りました。

 同社は今後、国家政策に基づき、風力、太陽光発電設備の増強を加速させ、2025年末には再生可能エネルギーの発電容量を50%超まで引き上げる計画です。規模拡大が続く見通しです。

注目の中国株3:中国電力国際(02380)

 国家電力投資集団傘下の電力会社でグループ中核企業です。売上構成(2021年6月中間期、以下同様)では火力発電が全体の63%、水力が19%、太陽光が9%、風力が9%ですが、営業利益ベースでは火力発電は全体の20%にとどまっており、水力が43%、風力が20%、太陽光が18%、未分配などが▲1%となっています。

 2021年6月中間期業績は27%増収、17%増益となりました。風力発電の発電容量は59%増、太陽光は43%増となるなど設備を増強したことで大幅増収となりました。一方、石炭価格の急騰の影響から、増益率は増収率を下回りました。

 当局は今後、規模の小さな火力発電所の淘汰(とうた)を進めるとともに、同社や華潤電力控股(00836)のような大手に再生可能エネルギー発電の設備投資を集中させると予想されます。