注目の中国株4:中国光大緑色環保(01257)

 国家投資機関である中国光大集団の傘下企業で中国光大環境(00257)の子会社です。

 安徽省、江蘇省、山東省など全国10省(2021年6月末時点)で環境関連事業を手掛けていますが、収益の核となるのはバイオマス事業です。

 麦わら、わら、トウモロコシの茎、落花生のカラなどの農業廃棄物、枝、木の皮など、製材所で発生する廃材を原料とする発電所、熱(スチーム)供給施設の建設、運営を行っており、バイオマス事業の売上高(2021年6月中間期、以下同様)は全体の77%、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は70%を占めています。

 次にウエートの大きいのは、工場で発生する危険廃棄物、固形廃棄物に関する処理場の建設、運営です。売上高では18%、EBITDAでは22%を占めています。

 そのほか、太陽光、風力発電所の運営、環境修復事業なども行っています。EBITDAではそれぞれ7%、1%を占めています。

 2021年6月中間期は2%増収、15%減益となりました。業績が低迷したのは、主力のバイオマス事業について前年の新型コロナ禍の影響で新規の建設案件が減少した上に、原材料価格が上昇したことなどが原因です。一過性ではありますが、下期にもその影響は残りそうです。

 今年、第14次五カ年計画が始動しました。双炭政策が本格化することで、来期以降、事業の拡大が顕著になると予想しています。

 なお、ごみ処理・発電、汚水処理などの業務については親会社である中国光大環境(00257)が行っています。こちらも中国光大緑色環保(01257)同様、長期的に高い成長が望める企業だとみています。

注目の中国株5:信義光能(00968)

 民営の大手ガラスメーカーである信義ガラス(00868)傘下企業で、太陽光発電モジュールに使われるガラスを製造しています。安徽省蕪湖市、天津、広西チワン自治区北海市、マレーシア・マラッカに製造拠点を持ち、生産規模ではグローバル市場の約30%(2020年)のシェアがあります。

 部門別売上高(2021年6月中間期)では太陽光発電用ガラスが82%、太陽光発電所関連業務(開発、運営、設計・調達・建設サービス)が18%、本土での売り上げは68%、海外は32%です。

 2021年6月中間期業績は75%増収、118%増益となりました。2020年10-12月期、2021年1-3月期に価格が急騰、設備能力の増強もあって大幅増収増益となりました。

 政府による積極的な支援があり、今後段階的に設備投資が行われる見通しです。2021年6月末時点の太陽光発電用ガラスの総溶量は1日あたり1万1,800トン(上期に1,000トン増強)ですが、下期に1,000トンの設備増強が行われ、それ以外にもこの数年内に実現する見通しの1,000トンクラスの増強計画があります。

 価格についてですが、4-6月期以降、下落していて、下期もしばらく厳しい状態が続いています。業界全体で生産量が増えたのに対して川下では思ったほど需要が伸びていないためです。

 ただ、技術進歩によって太陽光発電のコストは今後も低くなるでしょうし、大手である同社はガラスの薄型化、大型化を他社よりも早く進めることができるとみられ、シェアの拡大が望めると予想します。

 株価は9月に入り下落基調となっていたのですが、10月に入り底打ちした感があります。株価は価格反転を織り込み始めていると考えます。