S&P500が暴落?非常事態の対処法は「投資し続ける」こと

――つみたてNISAを始めたのに、すぐにマイナスになってしまった場合、どうすればいいのか、2人のアドバイスをください。

代田 重要なのは、知識で長期投資が重要であるとわかっていても、実際にはコロナショックのような下げに見舞われると、人は不安になってしまうということ。コロナショック前につみたてNISAを始めて、今も続けられている人は、コロナショックの下げを「持ち切った」という貴重な経験をすることができました。

 これからも下がる局面は出てくると思いますが、大きな下げのときに売ってしまって、投資をやめてしまったらもうそこで終わりです。投資を続けて長期投資にしていかないとゴールにも到達できません。

 私たち運用会社や販売会社はそういうときこそ、きちんと投資家に寄り添ったメッセージを出すことが重要だなと考えています。

山崎 確かに投資資産が大きく目減りしてしまうと、気分は悪いし背中がゾクゾクするような感覚もあるでしょう。去年のコロナショックを経験している人にはそういう感じがきっとあったはずです。

 その後、あそこまで早くリカバーできるのは例外的だったかもしれませんが、長い時間をかけてリスクプレミアムを蓄積して、収益を積み上げていくのが株式投資の本質だと私は思っています。

 確かに向こう2、3年の間に、米国の株価指数が例えば2~3割ぐらい下がるような下落が、そこそこに高い確率で起こるだろうとは思います。だからといって、そのときまでにどれぐらい米国株が上がっているかもわかりませんし、そこからどれだけ下がるかもわからない。

 相場の上げにも下げにも全部付き合うというのが、ほったらかし投資の基本思想です。アカデミックの人も実務家の人もいろいろ考え、試してきたわけですが、それが投資の最適解なので、そうするのがいいだろう、ということです。

代田 山崎さんがよく書かれていることですが、リスク資産をどれぐらい持つべきか、ということに関しては、その資産が今後3分の1まで下がっても耐えられるか、というのが一つの基準になります。

 これぐらいまでなら下がってもいいと思える許容範囲の3倍ぐらいの投資資金で運用している分には、たぶん、どんな状況でもストレスもないし、一番うまくいくのではないでしょうか。

山崎 付け加えると、最後の最後には、損しても、お金で済むことだからいいじゃないかという、割り切りを持てということです。