米国ETFで選ぶ:バリュー株とグロース株の投資戦略

 相場格言に「続く流れに逆らうな」、「トレンドは友(Trend is your friend)」、「ついて行くのが儲けの道」、「上げ潮はすべてのボートを持ち上げる(A rising tide lifts all boats)」があります。

 そこで、足元で鮮明となっているバリュー株物色に乗りたいニーズに応じて、米国市場のバリュー株に分散投資する米国籍ETF(上場投信)をご紹介したいと思います。

「バンガード・バリューETF」(VTV)は、米国の大型バリュー株に分散投資しているETFです。ハイテクなど成長性が高くてもバリュエーションが相対的に割高な銘柄群(グロース株)を避け、割安感を重視して米国株に分散投資したい投資家に人気があるETFです。

 一方、米国のグロース株に分散投資する「バンガード・グロースETF」(VUG)もあります。図表3では、VTVとVUGにVOO(S&P500指数連動型ETF)を加えた3種類のETFについて各種情報を比較一覧しました。

「年初来騰落率」でみると、VTVのパフォーマンスがVUGやVOOよりも優勢です。ただ、長期視点で振り返る「10年(年率平均)」で比較すると、順位が逆転(VUG>VOO>VTV)している事実もわかります。

 VTVはバリュー株相場のトレンドに乗りたい投資中級者の方にご注目いただけるでしょう。一方、投資初心者で長期目線の方であればVOO(米国市場全体に分散投資するETF)にご注目いただけると思います。

<図表3:米国バリュー株ETFと米国グロース株ETFの比較>

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年6月2日)