米国ブルーチップと東証大型株にみる「新春相場の勝ち組」
米国市場では、ダウ平均(NYダウ工業株30種平均)の構成銘柄を「ブルーチップ」と呼ぶことがあります。一般的に、米国の各業界を代表する企業で収益性、成長性、財務面に優れる「優良銘柄」を総称します。
ただ、株式市場が変動を繰り返すなか、ブルーチップの全てが一様に上下するとは限りません。図表1で示した循環物色の傾向を強く受けることがあります。
図表2は、ダウ平均を構成する30銘柄をユニバース(母集団)にし、年初来騰落率の上位10銘柄をランキング(降順)で一覧したものです。
経済活動の回復から恩恵を受けやすい資本財やエネルギー関連に加え、長短金利差の拡大(利ざや拡大)を好感した金融株の優勢が鮮明となっています。
とはいっても、機関投資家によるESG(環境・社会・企業統治)重視の物色が広まるなか、エネルギー株(化石燃料系)の優勢に持続性があるか否かは不透明です。
一方、長期金利が安定化すると、成長期待が強いグロース株が持ち直す可能性もあります。今後の物色変化次第で「主役交代」がみられるかもしれません。
<図表2:新春相場:米国ブルーチップの「勝ち組」は?>
図表3は、日本の「東証1部上場大型株」を象徴するTOPIX100指数(時価総額上位100社)構成銘柄の年初来騰落率ランキングです。
米国市場と同様、エネルギー関連、資本財、金融(銀行)、商社、化学などの他、業績急回復を鮮明にしたソフトバンクグループ(情報・通信)の優勢が目立ちます。
これら銘柄は、市場平均(TOPIX)の堅調をリードする銘柄群で、「新春相場の勝ち組」と言えるでしょう。景気敏感業種やバリュー株と呼ばれる銘柄が多く、業績の持ち直し期待を加味したバリュー(割安感)が見直されている点も特徴です。
<図表3:新春相場:東証大型株の「勝ち組」は?>