12月の新興株<マザーズ、ジャスダック>マーケットまとめ

 日経平均株価は11月に月間騰落率+15%という歴史的上昇を果たし、その翌月ということで高値警戒感もあったわけですが…12月も日本株の主要指数でパフォーマンスがよかったのは日経平均でした。12月の月間騰落率は、日経平均が+3.8%、TOPIX(東証株価指数)+2.8%で、新興株市場では日経ジャスダック平均が+1.6%、東証マザーズ指数が▲2.9%でした。

 指数でいえば、新興株市場のマザーズ指数だけマイナス。MBO思惑でソフトバンクグループの爆上げがあったり、日経平均が2万7,000円台も超えたことで日経平均型のブルベアETF(上場投資信託)が盛り上がったり…そうした影響で個人投資家の売買も減った影響はあります。ただ、それ以上に大きかったのが、12月恒例の「損出し売り」と「IPO(新規公開株)ラッシュ」でした。

 年内最後に、含み損銘柄をロスカットして損出し…個人投資家の投資行動として知られているがゆえに、需給が悪い銘柄の買いを手控えるムードがまん延。マザーズ銘柄全般の買い板が薄くなりました。さらに、12月15日以降で全26社が登場する過密スケジュールの12月IPO。ラッシュ序盤に上場したバルミューダが初値を付けた後に急伸、これがセカンダリー投資人気に拍車をかけました。マザーズの売買代金でも連日、ウェルスナビ、ココペリ、ヤプリなど12月IPOが上位を独占。

 個人のIPOで一勝負!の熱量は半端ではなく、マザーズ市場全体の売買代金の約5割を12月IPOだけで占めるような日まで出てきました。マザーズ市場は低調でも、マザーズのIPOは大盛り上がり…この状況をして「マザーズが盛り上がっていない」とは到底言えないわけです。単に、「上場日の翌月の月末」からマザーズ指数の組入れ対象になる関係で、いくら12月IPOが値上がりしようが指数には無関係だった…カラクリはそれだけ。「マザーズは盛り上がった(IPOの何銘柄かだけ)」が表現としては適切ですね。