値上がり率ランキング(5銘柄)

1 ウィルソンWLW(9610・ジャスダック)

 動意づく手前の時価総額が8億円程度だった超小型株が、年末ラストでまさかの急騰劇に発展しました。完全に「需給」要因で…。

 同社は23日、豪州・ニュージーランドでの企業向け人材育成市場の拡充を図るとして、IT研修大手レッド・エデュケーション社を正規販売店にすると発表。ここから2日間、大幅高になったのですが、このタイミングで空売りを相当量巻き込んだようです。

 結果、日本証券金融が28日、貸付株券の調達が極めて困難になったことから、28日申し込み分から当分の間、逆日歩(空売りのコスト)の最高料率を10倍にする臨時措置を講じると発表。これに慌てたのが空売り勢で、同日から2日連続ストップ高買い気配に…。超小型株を空売りすることのリスクを示す教材のような事例になりました。

2 大日光・エンジニアリング(6635・ジャスダック)

 超小型の低位株、これまで人気薄だったこともあって、一つの材料をきっかけに火柱高へ。21日、カーナビやドライブレコーダーの国内大手デンソーテンの自動車向け電装ユニットの新たな生産拠点となる生産ラインを構築し、2021年から生産・供給を開始する契約を結んだと発表。

 EV関連株人気はやや鎮火していたタイミングでしたが、新規性のある材料を出したニューカマーとして短期資金が集まりました。25日の出来高は300万株超と、前月の月間累計出来高の10倍以上に。

3 アサカ理研(5724・ジャスダック)

 リチウムイオン電池からリチウムなどを回収するリサイクル事業に参入していたことで、EV関連株や環境関連株のテーマ株物色の波に乗ってきた銘柄。さらに他のテーマ株人気がやや下火になってきた絶妙のタイミングで、同社は株価刺激策を投入しました。

 18日、投資家層の拡大や流動性向上を目的として、1月末時点の株主を対象とした1対2の株式分割実施を発表。さらに株式分割前ベースで1円だけですが、実質増配になるような配当政策の修正も出しました。2分割と実質1円増配という程度の材料ですが、発表翌日21日にまさかのストップ高(700円高)に。材料というのは、どのタイミングで出すか?次第でこれほど大きく反応するのか…と正直驚きました。

4 日本フォームサービス(7869・ジャスダック)

 TOBの材料が出る直前、時価総額はわずか約8億円という超小型株でした。その同社に23日、1株3,100円(発表日終値2,020円)でTOBを実施するとのニュースが出たことで、5割強のプレミアムが付いたTOB価格にサヤ寄せ。

 珍しいTOB案件で、TOBするのは同社の経営企画室室長で筆頭株主の山下氏。取締役ではないため、経営陣が参加する買収(=MBO)とは違うようです。ただ、山下氏は株式非公開化を目的としたTOBとしているようで、上場廃止になる予定と。

5 プレミアアンチエイジング(4934・東証マザーズ)

 上場(10月28日)から2カ月程度の直近IPO株。スキンケア化粧品の開発・販売を手掛ける企業です。中核ブランドは「DUO」シリーズで、創業来クレンジングバームが業績をけん引しています。

 14日、第1四半期の決算発表時に、中間期の業績予想を上方修正。経常利益は12.4億円→16.9億円に大幅増額しています。9月から放映を始めたTVCMの効果で認知度が上がり、新規の定期顧客が増えている様子。IPO後、短い期間のうちに大幅上方修正をしたことで、投資家からの業績信認が一気に高まったといえそうです。