ドコモ株主はどうなるか?

【1】TOBに応募する場合

 NTTは、ドコモの少数株主持ち分をすべて買い取ることを目指しているので、ドコモの株主は、TOBに応募すれば、28日の株価から約4割のプレミアムをつけた3,900円で買い取ってもらうことができます。ドコモ株主には、思わぬプレゼントとなりました。

 NTTがTOBに応募したドコモ株を買い取らないのは、応募株数が下限(0.45%)に満たずTOBが成立しない場合などに限られますが、TOB価格に4割のプレミアムをつけているので、TOBの成立はほぼ確実と考えられます。

【2】TOBに応募しない場合

 NTTは、いわゆる「二段階買収」という一連の手続きを行い、TOBに応募しなかった株主の持ち分も含め、ドコモ株をすべて買い取ることを目指します。

 TOB後に、NTTによるドコモ株の保有割合が90%以上となった場合、NTTは会社法の規定に基づき、TOBに応募しなかったドコモ株すべてに、株式売渡請求をする予定です。

 その場合、買取価格は、TOB価格と同水準にする予定としています。ただし、売渡株主が、裁判所に対して売買価格決定の申立てを行う場合は、裁判所が売買価格を判断することになります。

 TOB後の、NTTによるドコモ株の保有割合が90%に満たない場合は、株式併合を行って、全株買い取りを目指します。

 いずれにしろ、ドコモの株主は、事実上、強制的に株式を買い取られることになる可能性が高いと言えます。

 ドコモ株を高配当利回り株として、長期投資していた株主は、別途、長期投資していく価値のある高配当利回り株を探す必要が生じます。

 私は、この後説明するNTT(9432)(予想配当利回り4.5%)や、KDDI(9433)(同4.5%)、三菱UFJ FG(8306)(同5.7%)、三井住友FG(8316)(同6.3%)、ENEOS HD(5020)(同5.7%)、日本たばこ産業(2914)(同7.9%)などが、乗り換え候補として良いと考えています。