一部の失業者は通常の所得を上回る給付を手にしている

 ウィルスの感染拡大によって経済活動が一時シャットダウンされ、制限が続く米国において労働市場は引き続き不安定な状態が続いている。仕事がない、あるいは仕事を休まざるを得ない人々は大きな影響を受けたと想像されるが、実際には、一部の失業者は通常の所得を上回る給付を手にしている。

 その結果、米国株式市場では給付金バブルが起きて、「ロビンフッダー」と呼ばれる投機的な個人の投資家の取引が市場を席巻する存在となっている。ロビンフッダー相場に理屈はない。過剰流動性がすべてだ。市場はアップルとテスラの分割期待でイケイケになっているが、特定の銘柄だけが買われているのが、ロビンフッド相場の特徴である。最近は新米デイトレーダーの投資指南として、ハウツー動画が人気になっているらしい。その講師は大学生だという。マイオピック(近視眼的)な賭博場と化した市場のロビンフッドブームと流動性バブルを象徴する現象であろう。

テスラ(日足)

出所:パンローリングカスタムチャート・石原順インディケーター

アップル(日足)

出所:パンローリングカスタムチャート・石原順インディケーター