マネーのルール最後の10個、「マネー運用応用編」

 真ん中の10個と最後の10個に内容的に大きな隔たりがあるわけではないが、株式投資関係のルールが幾つか入るなど、個別株のポートフォリオ運用に思い入れのあるラインナップになっている。

 もともと筆者は個別株での運用が好きであり、個別株の運用では対象の価格と手数料がハッキリしている点に好感を持っているということがあった。また、当時と今とを比較すると、インデックス・ファンドの手数料が(特に外国株式のインデックス・ファンドが)下がったので、近年は「運用が仕事でも趣味でもない人は、インデックス・ファンドで運用すればいいではないか」という路線で運用を説明することが多い。個人的には、これが合理的であると思う一方で、趣味としての運用の魅力も伝えたいというジレンマがある。実行しやすい運用の簡便法と、趣味としての運用のあれこれは、書籍を分けて書いた方がいいと思う一方、この本の場合は、網羅的であることが基本的な性格でもあるので、「趣味として、ぜひ株式投資をやってみましょう」という誘いは残しておきたい。

  • ルール21 返済に勝る運用なし!

    ローン返済よりも有利な投資はまずありません。ローン返済を優先しましょう。

  • ルール22 コストは〝確実な〟マイナスだ!

    あやふやな期待リターンよりも、確実なコストに対してシビアになろう。

  • ルール23 まずリスク、次にコストのチェックを!

    運用商品の選択は、一にリスク、二にコスト、三、四がなくて五に好き嫌い!

  • ルール24 投資に必勝法はない!

    必勝法が役に立たない理由が分かると投資への理解が深まります。

  • ルール25 テクニカル分析は役に立たない!

    テクニカル分析は少なくとも単独では役に立ちません。

  • ルール26 売買は合理的に!

    売り買いに関する俗説に注意して、合理的に割り切って考えよう。

  • ルール27 あなたとプロの条件は五分五分!

    投資の世界では、今やプロとアマチュアに条件の差はほとんどありません。

  • ルール28 株は予想の変化とPERの二つでOK!

    株式投資は高級な楽しみ。銘柄評価の基本は予想利益の変化とPERの二つ。

  • ルール29 ポートフォリオは3銘柄から徐々に育てる!

    まずは3銘柄から、「ポートフォリオ」を徐々に育てていきましょう。

  • ルール30 投資の理論を敵に回さない!

    投資理論を応用したマーケティングに騙(だま)されないようにしましょう。