政府と中銀がカネをバラまいていれば、株価は永遠に上がっていくのか?

 政府と中銀がカネをバラまいていれば、株価は永遠に上がっていくのか? それは30年間MMT政策を行ってきた日本の株価が証明している。バブルの崩壊で政府が市場に大規模介入すると、長期にわたる日柄調整相場になるのである。米国の株式市場も日本化(ジャパナイゼーション)に向かうのではないかと懸念されているのは、いまや相場の主役が投資家ではなく、中央銀行であるからだ。

日経平均と一般政府負債
 バブルの崩壊で政府が市場に大規模介入すると、日柄調整相場になる

出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート(パンローリング)

 先進国経済はみんな日本化(ジャパナイゼーション)している可能性がある。すなわち、低インフレ局面の長期化だ。ローレンス・サマーズは「バブルがないと経済はマイナスの自然利子率に陥ってしまう」と述べているが、こうした長期停滞の考え方はMITコンセンサスと呼ばれ、現在の中央銀行の政策のメインストリームを形成している。物価も賃金も上がらないが資産価格だけは青天井という現在の状況は時代のあだ花なのかもしれない。

 しかし、歴史をみればわかるが、このバブル相場の終わりは必ず「インフレ」である。グローバリゼーションの崩壊とQEインフィニティ(無限大量的緩和)はその萌芽であるが、最終的には「金融抑圧」(政府が膨張した債務の一部を、非常に低い金利でファイナンスできる状況を作り上げること。 単純化すると、高インフレ+人為的低金利で、政府債務の棒引き・実質的な借金返済を図ること。)では済まず、将来的に戦争(経済学的には国家最大の公共事業)になる可能性がある。