現在のQEインフィニティ(無限大量的緩和)で、市場は「FED(米連邦準備制度)が今後10年リセッションは起こらないと保証、永続的に上昇する株式市場と住宅市場」という上記の記事のような気分になっているのかもしれない。債務を無限大に増やして資産と負債を両方膨らませるという手法はねずみ講と同じであるが、今の市場はバブル崩壊のツケをすべてQEインフィニティという量的緩和で先送りしているだけである。

 以下のチャートは、1929年大恐慌相場が底を打つまでの3年間の軌道だが、いまのところ、株式相場はこの軌道で動いている。大恐慌相場が3年後に底を打つまでのパターンは、下げ2カ月(A)⇒上げ5カ月(B)⇒下げ2年2カ月(C)といった軌道だ。今回の相場がこのようになると言っているわけではないが、エリオット波動分析の運用者の間では注目されているチャートである。

 1929年のチャートをなぞると、現在の上げ相場は、最初の急落の2カ月の後のリバウンド局面、すなわち5カ月の戻り相場の時期にある。QEインフィニティという需給相場で、現在、テクニカル的にはNYダウも日経平均の日足も「買いトレンド」相場となっている。しかし、戻り相場が力尽きると、ドーンと崩れるという下げパターンが来る可能性がある。

1929年の大恐慌相場が底を打つまでの動きを読む・下げ2カ月(A)⇒上げ5カ月(B)⇒下げ2年2カ月(C)
 

出所:World Cycles Institute

エリオット波動の基本と波の個性

出所:「エリオット波動入門 ──相場の未来から投資家心理までわかる」(パンローリング)